現在、大学での出欠の取り方は「オンライン」が最も多く、次いで「紙の出席カード記入」ということが大学職員に聞いた学内業務のDXに関するアンケートから明かになった。
■首都圏では「オンライン」の出欠が浸透
本調査は進学情報などを提供するディスコが、大学職員133人に対して、テレワーク実施状況や窓口業務の状況など学生業務についてアンケートを実施したもの。現在の授業での出欠の取り方は(複数回答)は「オンライン」が80.5%でトップ。次いで「紙の出席カード記入」65.4%、「点呼」45.9%、「ICカード認証」37.6%と続く。特に首都圏の大学は「オンライン」が94.4%と浸透している。
■オンライン授業は学生の視聴が把握できないという問題も
オンライン授業が増える中で、出欠に関する悩みや課題を聞いたところ、「オンライン遠隔授業へのアクセス情報は把握できるが、途中で学生が視聴していなくても分からない」、「オンライン授業で出欠管理をできる教員とできない教員の差が激しい」、「オンデマンド配信を繰り返して視聴している学生もいれば、全く視聴していない学生もいるので、ビデオの閲覧数では判断できない」など現在の技術では解決できない問題をオンライン授業は抱えていることが分かった。
■2021年度はテレワークをしない傾向に
2020年度は「テレワークの実施率10%未満」が48.1%で半数を占め、「テレワークをしなかった」は27.8%。エリア別に見ると関東1都3県でテレワーク実施率が最も高く、私立の方がテレワークの実施率が高い傾向にある。2021年度は「テレワークをしない予定」が48.1%となりテレワークをしない傾向になっている。
■PC環境の問題からテレワークがしづらい要因に
2020年度にテレワークをしづらかった原因を聞いたところ、「成績など個人情報の中でも重要な部分に関わる業務は、自宅のPC環境ではセキュリティが不十分であったと思われたため」、「学生の電話対応と業務資料がクラウド化できていない」、「電子化されていない物が多く臨機応変にテレワーク対応がうまくできなかった」など大学の業務を自宅で行う環境が整っていないことが伺える。
■テレワークの導入が業務の効率化につながるケースも
テレワークになってよかった点は「情報を切り取って持ち帰る等の準備が必要なため、業務に対する理解・整理が進んだ」、「業務の見直しをすることができた。オンライン体制の標準化が進んだ」、「会議や研修など対面の必要性の低いものが明確になり、仕事の整理につながった」などテレワークにすることで業務の効率化につながったケースも多い。
■テレワークだけでは困難な業務も
テレワークになり良くなかった点は「職員同士の連携が難しくなった」、「電話受付・対面が適している業務はテレワークでは対応が困難であった」、「対面での学生サービスが十分にできなかったこと」など対面でなければできない仕事も多く、テレワークが難しくなっている。
【調査概要】
実査期間:2021年5月11日~2021年6月30日
調査方法:インターネット調査
対象者:全国の大学・短期大学の教職員133人
調査主体:株式会社ディスコ 教育広報事業部