ネットの高校である角川ドワンゴ学園のN高等学校とS高等学校は、2022年4月から、VR技術を活用した学び方について、従来の「普通科プレミアム」を「普通科」、「普通科スタンダード」を「普通科ベーシック」に名称変更する(許可申請中)。
■多くの生徒がVR空間で履修可能
2021年4月に始まった普通科プレミアムには、現在4127人の生徒が在籍している(2021 年8月27日現在)。新入生の約4割が普通科プレミアムを選択している。また、履修可能な授業6984本のうち、33%にあたる2341本がVR空間で履修できるようになっている。今後もVR対応を進めていき、2021年度内には半数以上となる3980本の授業がVR空間内で履修できるようになる予定。
■VR空間での交流に満足を覚える
VR空間では授業だけでなく、生徒の交流会も頻繁に行われている。普通科プレミアムが始まった2021年4月から7月までの4か月間にVR空間で行われた生徒交流会は142回にのぼり、イベント後に行ったアンケートでは参加した生徒の約 93%が「満足」と回答した。
■VR学習が欠かせない存在になると考え名称を変更
角川ドワンゴ学園では、VR技術を活用した面接練習や英会話レッスンのほか、生徒の交流会など友達作りの場を設けるなかで、VR教育がオンライン教育の欠点を克服できる可能性があると確信。これからのオンライン教育において、VR学習は動画・生放送によるオンライン学習と同じく欠かせない存在になると考え、学び方の名称を変更する。
■複数メンター制を導入
これまでの担任制度を改め、1人1人の生徒を複数の教育スタッフがメンターとしてサポートする体制に変更。メンターは相談者、助言者として、コーチングやワークショップなどを通じ、生徒の気づきや発見を促す。これまでも通学コースにおいては複数の教育スタッフが生徒をサポートする体制をとっていたが、これをすべてのコースに拡大する。
■スクーリング専任の教員を設ける
あわせて、新たにスクーリング専任の教員を設ける。スクーリングとは、生徒が年5日間程度参加する対面形式の授業で、高校卒業資格取得のために必要な必修授業の一つ。スクーリング専任の教員は、基本的に生徒へのメンター業務は担当しない。業務の分担により教員の負荷を減らすとともに、さらなる教育の質の向上を目指す。