トライアローはエンジニア向け教育サイト「TRI-ARROWハンズオン・ラボ」の教育現場での実用化を目指し、オンライン学習ツールの導入について情報科学専門学校との実証実験を行った。
■対面授業とオンライン授業の効果的な教育手法を検討
学校法人岩崎学園 情報科学専門学校では、状況に合わせて対面授業とオンライン授業の比率を変えるという柔軟な対応を取っているが、対面授業とオンライン授業それぞれにおいて、効果的な教育手法の検討をしていた。
■ITエンジニアの育成に向け「TRI-ARROW ハンズオン・ラボ」を開発
一方、トライアローはIT業界に対して人材サービスを提供してきた流れから、未来を担う IT人材の育成を大きな課題と感じていた。また、エンジニアが実際に手を動かすことの重要性から「TRI-ARROW ハンズオン・ラボ」という教育サイトを開発し、運営していた。
■自宅からLinux 環境下でのコマンド操作を実習
実証実験は7月から8月の2か月間、計6回の授業時間を利用して実施。合計で 200人余りの学生が参加した。Linux コマンドを操作する授業の教材として「TRI-ARROW ハンズオン・ラボ」を利用し、学生が自宅にいながら Linux 環境下でのコマンド操作実習を行った。1回の授業で約 110人の学生が同時にシステムに接続し、それぞれ個別の環境で同じ課題に取り組んだ。
■練習問題への挑戦回数や問題の正答率を記録できるよう改修
「TRI-ARROW ハンズオン・ラボ」は、当初はログイン時間の他、実際にコマンド操作をしている時間を記録していたが、実証実験開始時に教員からの要望を受け、練習問題への挑戦回数、その問題を解くのにかかった時間、問題の正答率等を記録できるように改修した。
■学生の理解に合わせた細やかなケアが可能に
これにより教員は、担当する学生がどの問題にどれくらいの時間をかけたのか、何につまずいたのか、どこが理解のボトルネックになっているのかを分析することができる。従来の対面実習以上に「学生の理解に合わせた細やかなケア」をすることが可能となった。
■効果を上げるために必要なコンテンツなどを検証し、改善
今後は実証実験の結果を精査し、「TRI-ARROW ハンズオン・ラボ」が学生のオンライン学習にどのぐらい貢献できたのか、もっと効果を上げるためにどのようなコンテンツや機能が必要なのかを検証し、改善していく。また、情報科学専門学校が得意としているセキュリティ分野についても、セキュリティエンジニアの育成のためのコンテンツ作成を行う予定。
<「TRI-ARROW ハンズオン・ラボ」概要>
【収録コンテンツ】
LinuC:サーバーエンジニアリングの基礎を学び、LinuC(LPIC)の取得を目指す
Machine Learning:対話型実行環境(Jupyter Lab)を利用して機械学習について学ぶ
統計解析:AI、機械学習、ディープラーニングを使いこなすための「古典的統計解析」
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