文部科学省は8月20日(金)、新学期に向けた新型コロナウイルス感染症対策に関する事務連絡を発出した。
■一刻も早く感染拡大を抑えるために
新型コロナウイルス感染症は、これまでに経験したことのない感染拡大の局面を迎えている。一刻も早く感染拡大を抑えることが求められ、学校や家庭においても感染拡大への危機感を共有し、感染症対策の徹底を図ることが必要とされる。
■新学期に向けた新型コロナウイルス感染症対策とは
そうした観点から文部科学省は、小学校・中学校・高等学校等における新学期に向けた新型コロナウイルス感染症対策に関する事務連絡を発出。事務連絡に記載されている内容のポイントは以下の通りとなる。
<新学期に向けた新型コロナウイルス感染症対策に関する事務連絡 ポイント>
①学校教育活動の継続と臨時休業の判断等
・地域一斉の臨時休業は慎重に検討する
・緊急事態宣言の対象区域の高校は、時差登校、分散登校、オンライン学習を
組み合わせたハイブリッドな学習等の可能性を積極的に検討する
・感染が確認された場合、学校の全部または一部の休業(学級単位、学年単位)に
ついて保健所等の助言を踏まえて検討・判断する
②基本的な感染症対策の徹底
・体調が少しでも異なる場合には、児童生徒等・教職員ともに自宅休養を徹底する
・検温等、毎朝の健康観察を実施する
・エアコン使用時も含め、常時換気をする(特に給食時)
・正しい方法でマスクを着用する
③具体的な活動場面ごとの感染症対策について
・各教科等について感染リスクが高い学習活動の実施の是非を感染状況に応じて判断する
・部活動等について、感染リスクの高い活動を一時的に制限することも含め検討し、部活の内外を問わず感染対策を徹底する
・学校行事について、実施に当たっては、時期、場所、時間、開催方法等について十分配慮する
④児童生徒等の心のケア
・ICTの活用やスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー等による支援、相談窓口の適宜周知
⑤教職員の感染症対策及びメンタルヘルス対策
・条例等に則り、発熱等の症状により勤務できない場合や、新型コロナワクチン接種を受ける場合には、特別休暇を取得させることや職務専念義務を免除することなど、適切な取扱いを実施する
・学校の管理職や設置者等においては、必要に応じて校務分掌の見直しを図るなど教職員の業務負担が過重とならないよう十分に留意する
⑥やむを得ず学校に登校できない児童生徒に対するICTの活用等による学習指導
・ICT環境を活用した指導、端末の持ち帰りを安全・安心に行える環境づくりに取り組む
■感染状況の実態も掲載 高校生は校内感染27%
小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の昨年5月からの月別感染状況(学校報告値)も掲載。7月、小学生の感染経路は7割が家庭だが高校生の家庭内感染は3割。高校生は他校種と比較して学校内感染(27%)と経路不明(38%)が多い。