キャリア教育の実証授業を提供しているBlueberryは岐阜県多治見市立昭和小学校での実施データを公開。子供たちの意識調査とプログラム実施における変化を調査したところ、将来の夢があると回答した生徒は、尊敬する大人がいると回答していることが分かった。
■オンラインイベント型とGIGA教材型のプログラムを実施
Blueberryは岐阜県多治見市昭和小学校の5、6年生を対象に「オンラインイベント型」「GIGA教材型」の両方のプログラムを実施。実施のタイミングは2021年7月、検証対象の生徒数は103名となっている。
■キャリア教育の効果を定量的に検証
今年度の実証授業では、小中学生を対象にしたオンラインでのキャリア教育による子供たちの意識変化やプログラム別の効果の検証に加え、教員向けの評価項目を設け、学校全体での実施による効果を定量的に検証することを目的としている。
■将来の夢は8割があるが、早く大人になって仕事がしたいは3割
昭和小学校での調査によると、「将来の夢がある」と答えた生徒は全体の74.8%という結果に対し、「早く大人になって仕事をしたいか」という質問で「とてもしたい」と答えた生徒は全体の32%であった。
■周りに尊敬できる大人がいると将来の夢がある
「家族以外に尊敬する大人がいる」と答えたのは62.1%。「将来の夢がある」と答えた生徒のうち74%が「尊敬する大人がいる」と回答している。「夢がない」と答えた生徒で「尊敬する大人がいる」生徒は26.9%と大きな差があり、周りに尊敬できる大人がいるかどうかと将来の夢があるかどうかには相関関係が見られた。
■将来の夢があると努力をする気持ちが生まれる
「将来の夢がある」の項目と「努力をしていることがある」という項目を比較すると、「将来の夢がある」と答えた生徒のうち、「努力をしている」生徒は81.8%なのに対し、「将来の夢がない」生徒で「努力をしている」のは30.8%となった。将来の夢の有無が日々の生活姿勢に影響を与えていることがうかがえる。
■将来に前向きな生徒ほど勉強を楽しく感じる
「早く大人になって仕事がしたい」と答えた生徒のうち、「勉強が楽しい」と回答したのは79.3%。「大人になって仕事がしたくない」と回答した生徒の68.8%を10ポイント以上も上回った。将来に前向きな生徒ほど、日々の学びに楽しさを見出している傾向が高いことがわかった。
■キャリア教育を受けて将来に向けて努力しようと思った
キャリア教育の「プログラムは楽しかったか」という設問に対し、「とても楽しかった」が71.8%、「どちらかといえば楽しかった」という生徒が27.2%となった。プログラムを受けて「将来に向けて努力しようと思った」という生徒は95.1%。また、「勉強が前より楽しく取り組めそう」感じた生徒は80.6%となっている。
■キャリア教育を受けて仕事への興味が高まる
「早く大人になって仕事をしたいか」という項目は、「とてもしたい」がキャリア教育実施前の32%から実施後に46.6%と14.6ポイントも上昇した。「どちらといえばしたい」を含めると84.4%から98.1%という上昇率となった。
■将来の夢がないのは周りの大人の影響が大きい
事前調査で「将来の夢がない」と回答した児童も、キャリア教育を受けて84.6%が「とても楽しかった」と回答。「夢がない」と答えた児童も、キャリアに関するイベントを前向きに楽しんでいることが実証された。この結果から、将来の夢がないのは本人たちの責任ではなく、魅力的な大人たちが周りに少ないということも問題点に挙げられる。