タニタは全国の15歳以上の男女1000名を対象に「熱中症に関する意識・実態調査2021」を実施。それによると、小学生の親の約9割がマスク着用による熱中症対策の必要性を理解している一方、自分の子供に体育の授業でマスクをはずすことを指示している親は約2割にとどまることがわかった。
■9割の保護者が体育の授業でマスクをはずしたほうが良いと回答
小学生の子供がいる人(72名)に、子供は体育の授業ではマスクをはずしたほうがいいと思うか聞いたところ、「非常にそう思う」が48.6%、「ややそう思う」が40.3%で、約9割の保護者が体育の授業ではマスクをはずしたほうがいいと思っていることがわかった。
■実際にマスクははずすように指示している親は約2割
一方、自分の子供に、体育の授業ではマスクをどのようにするよう言っているかを聞いたところ、「はずすように言っている」が22.2%、「着けるように言っている」が12.5%、「周囲の状況にあわせるように言っている」が34.7%、「何も言っていない」が30.6%となった。体育の授業でのマスク熱中症のリスクを想定し、実際にはずすように指示している人は約2割にとどまった。
■暑さ指数(WBGT)の認知率は約5割
暑さ指数(WBGT)は、気温・湿度・輻射熱を取り入れた指標で、熱中症を予防する目的で考案された。この暑さ指数(WBGT)の認知度を聞いたところ、暑さ指数(WBGT)を「知らなかった」は51.6%となったのに対し、「名前は聞いたことがあった」は36.8%、「どのような指標か知っていた」は11.6%で、認知率は48.4%となった。過去の調査結果と比較すると、認知率は上昇傾向にあるが、その意味まで知っている人は横ばいで推移している。
■熱中症警戒アラートの認知率は約6割
また、熱中症警戒アラートを知っていたか聞いたところ、「知らなかった」は37.0%だったのに対し、「名前は聞いたことがあった」は47.1%、「どのようなものか知っていた」は15.9%で、認知率は63.0%となった。居住エリア別に認知率をみると、昨年先行実施された関東・甲信(68.6%)で最も高くなった。
熱中症警戒アラートは、暑さ指数(WBGT)を基準とし、熱中症の危険が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防の行動をとるよう促すために、環境省と気象庁が公開している情報。昨年7月1日から関東甲信地方の1都8県を対象に先行実施され、今年の4月28日から全国での運用が始まった。
■適宜マスクをはずすことが熱中症予防のポイント
熱中症予防に関して聞いたところ「マスク着用により熱中症のリスクが高まること」を「知っていた」は83.8%、「知らなかった」は16.2%となった。大多数の人がマスク着用と熱中症のリスクの関係について知っていることがわかった。「新しい生活様式では“適宜マスクをはずすこと”が熱中症予防のポイントのひとつになっている」ことについての認知率は64.9%で、「知らなかった」は35.1%となった。
■マスクによる暑さで具合が悪くなったは10代で高く
全回答者(1000名)に、マスク着用時にマスクによる暑さで具合が悪くなったことはあるか聞いたところ、「ある」は30.6%、「ない」は69.4%で、約3割がマスク熱中症を経験したことがある。性年代別にみると、マスク着用時にマスクによる暑さで具合が悪くなったことがある人の割合は、男女とも10代(男性44.6%、女性43.4%)が最も高くなっている。
■大多数がマスク着用時の熱中症対策を必要と感じる
全回答者(1000名)に、暑い日のマスク着用における熱中症対策を聞いたところ、「喉が渇いていなくても水分補給する」(55.6%)が最も高く、次いで、「人が少ない場所に移動しマスクをはずす」(39.0%)、「接触冷感マスクを着用する」(34.1%)、「マスクを着用したまま涼しい場所へ移動する」(29.5%)となっている。大多数の人が“マスク熱中症”の危険性を理解し、マスク着用時の熱中症対策を必要だと感じている。
<調査概要>
調査タイトル:熱中症に関する意識・実態調査2021
調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする
全国の15歳以上の男女
調査期間:2021年6月29日~7月1日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル
実施機関:ネットエイジア株式会社