東京工業高等専門学校の学生が自ら教材を開発し、八王子市立城山小学校でプログラミング教育の出前授業を6月16日(水)・17日(木)・24日(木)の3回にわたって実施した。
■小学生のプログラミング学習教材の開発を進める
今回の出前授業では、マイクロビットを用いたプログラミング教材を活用した授業を実施。東京工業高等専門学校では正規授業科目「社会実装プロジェクトⅢ」(第5学年前期)と専攻科「特別研究」の一環として在校生が中心となり、小学生のプログラミング学習教材の開発及びその教育手法の構築を行ってきた。
■学生が授業内容を考える
授業内容や実施方法は、情報工学科教員の指導のもと学生が考案。単なる操作にとどまらず、論理的に考える力を養成するためにアクティブ・ラーニングの要素も取り入れた内容となっている。出前授業では、比較的年齢が近い高専生からプログラミングを教わることで、将来のエンジニアを目指す目標となることも期待される。
■1回目の授業は信号を表示させるプログラムを作成
実際の授業では押しボタン式の歩行者用信号機を題材として取り上げた。3回シリーズで構成され、1回目はプログラミング環境の基本操作を覚えながら、縦横5列に配置された25個のLEDを用いて「〇」(青信号)や「×」(赤信号)を表示させるプログラムを作成した。
■3回かけて完成版の作成にチャレンジ
2回目はボタンを押したときに「〇」が表示されるよう、条件によって動作内容が変わるプログラムを作成。しかし、作成したプログラムでは思ったように動作しないため、最後の第3回ではプログラムがどのようにコンピュータの中で動いているかを説明した上で、どうすれば改善できるのかを一緒に考え完成版を作成した。
■実際に授業を行うことで改良すべき点が分かる
授業を進める学生1名と、4人の個別サポート学生で対応。受講した児童の多くは興味深く熱心に話を聞き、みんなで考える場面では活発な発言も目立った。講師を担当した学生からは「実際に授業を行うことで、授業の進め方や児童の反応を改めて知り、改善すべき点が多々あることを改めて認識した」などの感想が聞かれた。今後は、アンケート結果等の分析により、より完成度の高い授業に仕上げていく。
<プログラミング「出前授業」実施概要>
日程 第1回:6月16日、第2回:6月17日、第3回:6月24日
(3回シリーズ/午前中1校時分)
場所:八王子市立城山小学校 6年生教室
対象:八王子市立城山小学校 6年生2クラス(各33名、合計66名)
講師:東京工業高等専門学校情報工学科5年生4名及び専攻科2年生1名
東京工業高等専門学校