熊本県のルーテル学院高等学校の1、2年生は「総合的な探究の時間」の一環として、6月7日(月)・8日(火)に国際交流授業を実施。アフリカのコートジボワールと、中米のベリーズの子供たちとオンラインで繋ぎ、交流を図った。
■6月7日は2年生、8日は1年生が実施
国際交流授業は世界33か国でオンライン業務をしているニットが協力。同社のコートジボワール在住メンバーとベリーズ在住メンバーが現地の子供とオンラインでつなぎ実現した。6月7日はルーテル学院高等学校の2年生356名、6月8日は1年生358名が参加した。
■現地の様子をリアルタイムで感じる
今回の授業は高校生が現地の様子をリアルタイムで感じることで、高い興味関心を持って主体的・対話的で深い学びの視点からの効果的な授業を提供することを目的に実施。東京(ニット)、熊本(ルーテル学院高等学校)、ベリーズ、コートジボワールの4拠点をオンラインでつないで行われた。
■学校に通えない子供も多いコートジボワール
コートジボワールは進学状況と進学率を中心に説明。アフリカは家庭環境によって、学校に通えない子供も多い。政府の出す進学率は、首都圏や都市の生徒の統計で、地方や奥地の多くの子供たちはカウントされていないため、実際の進学率は、さらに低いとされる。
■同じクラスで異なる年齢層の子供が授業を受ける
日本と大きく違うのは、コートジボワールは落第と飛び級の制度があること。進学スピードが1人1人異なるため、様々な年齢層の子供が同じクラスで授業を受けている様子が紹介された。ルーテル学院の生徒から事前に送られた質問を現地の子供たちが回答している動画を紹介。「コートジボワールが変えていくべきところは?」という質問に対しては「教育と働きにいくための交通環境です」と回答した。
■コートジボワールの子供から強いメッセージ
最後にコートジボワールの男子が「学校を辞めないでください。もし辞めたとしても、人生を諦めないでください。どこにいても成功のチャンスがあります。私は諦めません」というメッセージが贈られ、ルーテル学院の生徒に強い印象を残した。
■ベリーズの歴史的背景を伝える
ベリーズはスペイン・イギリスによる領地時代のアフリカからの奴隷移住、戦争難民などの歴史背景により現在の多人種国家が誕生。こうした歴史的な背景も伝えながら、お互いの人種を尊重することで現在の平和を維持できている旨を紹介した。
■日本からの質問に回答
ルーテル学院の高校生からリアルタイムでベリーズのクレオール在住の子供たちへ質問し、交流を図った。質問に対してベリーズからは、ダンスが流行っていることや、カルチャーデイがあり、みんなでクレオールの民族衣装を着る日があることなどが伝えられた。
<ルーテル学院高等学校 生徒の感想>
コートジボワールのインタビューでは「たくさんの民族が混在しているが、お互いに理解して仲良くしている」というところが心に残った。ベリーズでは、流行っていることの話や夢について聞けたのが良かった。コートジボワールでもそうだったが、弁護士、看護師、先生などの社会にとって重要な役割を果たす仕事になりたい人が多いことに驚いた(高1)。
ベリーズでもコートジボワールも、日本とは違い、様々な人種の人たちがいる中で、差別をせずに共存しているということがとても心に残った。コートジボワールでは下の子の面倒を見るため教育を受けられなかったり、ベリーズでも経済的な理由から十分な教育を受けられなかったりと、日本で学校に通えることは当たり前のように感じていたけれど考えを改め、日々の生活に感謝しなければならないと感じた(高2)。