杉並区は児童虐待対応の強化を目的に、保育園などの施設と情報共有を図るツールとして、サイボウズの「kintone(キントーン)」を導入、6月から区立保育園(37園)と児童出欠状況の情報共有を開始した。今後、私立保育園、幼稚園、学校などと情報共有を進める。
■新型コロナウイルスの影響で出欠状況の確認が求められる
近年、児童虐待が問題視されており、自治体での対策強化が求められる。新型コロナウイルス感染症の影響で学校が休止になる事態も発生し、児童の出欠状況の確認をより頻繁に行う必要があった。
■対応すべき児童の出欠状況がタイムリーに分かる
杉並区では、保育園や学校から月1回、児童の出欠状況を表計算ソフトやメールで受け取っていた。しかし、毎月約100通のメールが届くため、正確な情報把握と集計作業には時間がかかっていた。今回、kintoneを導入したことで、保育園からの連絡をタイムリーに行い、対応すべき児童の状態を的確に把握することが可能となった。
■食を通じて子供の見守りを強化
新型コロナウイルス感染症の影響により、子供の見守り機会が減少し、児童虐待のリスクが高まっていることから、食を通じ子供の定期的な状況把握を実施する予定。子供の状況を素早く的確に共有するためkintoneを活用する。
■児童虐待未然防止の取組を推進するためkintoneの活用を検討
児童虐待未然防止の取組を推進する各種事業では、庁内及び関係機関と迅速かつ的確に要保護・要支援家庭の情報を共有する必要がある。効率的・効果的に事業を推進するため、kintoneの活用を検討する。
<杉並区 田中良区長 コメント>
児童虐待の防止に向けては、子供が発するサインに対しての保育園や学校、地域など多くの関係機関による気付きが非常に重要となる。新型コロナウイルス感染症の拡大により児童虐待のリスクは高まっている。このような状況においても、支援が必要な子供たちの様子を定期的に把握することが、児童虐待防止の取組には欠かせない。子ども家庭支援センターと関係機関との情報共有を迅速かつ確実に行うために「kintone」を活用し、こどもの命を守る取組にしっかりとつなげていく。