「持続可能な開発のための教育に関する関係省庁連絡会議」は、「我が国における『持続可能な開発のための教育(ESD)』に関する実施計画」(第2期ESD国内実施計画)を5月31日(月)に策定した。なお、学校現場では2016年に初版を作成した「持続可能な開発のための教育(ESD)推進の手引」についても改訂を行った。
■新たな国際枠組みとなる「ESD for 2030」が開始
持続可能な開発のための教育(ESD)については、2020年よりESDに関する新たな国際枠組みである「持続可能な開発のための教育:SDGs実現に向けて(ESD for 2030)」が開始された。
■国際的な動向も踏まえて「第2期ESD国内実施計画」を策定
そうした国際的な動向も踏まえ、文部科学省・環境省の両事務次官が共同議長を務める「持続可能な開発のための教育に関する関係省庁連絡会議」において、「我が国における『持続可能な開発のための教育(ESD)」に関する実施計画」(第2期ESD国内実施計画)を策定した。
■ESDがSDGs達成への貢献に資する考えを明確化
次期計画では「ESD for 2030」 の理念を踏まえ、ESDがSDGs達成への貢献に資するという考え方を初めて明確化。ジェンダー平等、2050年カーボンニュートラル、AI・DXの推進等を踏まえつつ持続可能な社会の創り手を育成する。
■多様なステークホルダーを巻き込む方策などを記載
ESD実現のため多様なステークホルダーを巻き込む方策や、「ESD for 2030」に示された5つの優先分野ごとに国内の各ステークホルダーが実施する取組を記載した。
<具体的方策>
①ESDを実践するために多様なステークホルダーを巻き込む
・政府は「ユネスコ未来共創プラットフォーム」や「ESD推進ネットワーク」等を活用
し、自治体、NGO/NPO、企業、研究・教育機関等を繋ぐ重層的なネットワークを強化。
・国内のみならず国際的にも情報発信を強化し、連携を図る。
②ステークホルダーごとの具体的な取組を5つの優先行動分野別に記載
1:政策の推進
「SDGs関連政策へのESDの反映」「教育政策へのESDの位置付け」「地球規模課題に
係る施策におけるESDの実施」などについて記載。
2:学習環境の変革
「学習指導要領に基づくESDの実施」「ICT化を通じた教育環境の充実」「機関包括型
アプローチの推進に向けたネットワークの形成・強化」などについて記載。
3:教育者の能力構築
「教員等に対する研修等」「ESD推進の手引の作成・活用」「各機関においてESDを実践
する者の育成」などについて記載。
4:ユースのエンパワーメントと参加の奨励
「ユース同士のコミュニティづくり」「国際的な議論にユースが参加できる環境づくり」
「青少年の交流の推進」などについて記載
5:地域レベルでの活動の促進
「ESDによるローカルSDGsの推進」「全国的なESD支援のためのネットワーク機能の
発揮」などについて記載。