タブレットを子供専用のデバイスとして提供する流れが加速していることがアマゾンジャパンが保護者を対象に実施した調査から明らかになった。また、同調査ではコロナ禍により子供の自立心を重視する保護者が増えていることが分かった。
■子供のデジタルデバイス利用に関する調査を実施
アマゾンジャパンは、3歳から小学校高学年の子供を持つ20代から40代の男女600人を対象に「子供のデジタルデバイス利用に関する調査」を2021年4月に実施。また、新型コロナウイルス感染症による子育ての価値観の変化を明らかにすることを目的に、2019年に行った同様の調査と一部結果を比較して分析した。
■高学年の子供はデジタルデバイスの利用時間が長くなる傾向に
平日のデジタルデバイスの利用時間を見てみると、未就学児が57.5分、低学年は58.9分、高学年は75.8分となり、高学年の子供は低学年以下の子供と比べて15分以上長く接している。この傾向は休日になると、より顕著になり、未就学児は76.7分、低学年は92.4分、高学年は117.1分となり高学年の利用時間の長さが目立っている。
■子供専用のデバイスとしてタブレットを渡す流れが加速
子供が専用して使用しているデバイスで最も多かったのは「タブレット」(32.7％)となり、次いで「ゲーム機」(31.9%)、「スマートフォン」(22.8％)と続く。さらに2019年ではタブレットを渡していたのが20.8％だったのが、2年間で10ポイントも伸びるなど、タブレットを子供専用のデバイスとして渡す流れは加速している。
■7割の保護者がデジタルデバイスを子供に与えることに躊躇
デジタルデバイスを子供に渡すことに関しては、69.3％の保護者が「躊躇した」と回答。具体的に心配していたことは「利用時間が長くなる」(63.4％)、「身体的影響(視力や姿勢など)」(57.8％)、「適切なコンテンツを視聴しているか」(40.0％)、「知能や心の発達に与える影響」(28.6％)、「知らない人と繋がらないか」(21.0％)となっている。
■未就学児は「身体的・精神的影響」が不安
特に、未就学児の保護者は「身体的・精神的影響」について、小学生の保護者と比べて心配をしている傾向がみられた。一方、コンテンツの適切さについては年長の子供の保護者が心配をする傾向にあり、「知らない人とネットで繋がらないか」は高学年が34.0％となり低学年や未就学児と比べて高くなっている。
■デバイスを渡したことにより子供の好奇心が広がる傾向に
子供にデバイスを渡したことによる利点は、「子どもが飽きずに使い続けられる」（44.5%）、「子供の好奇心が広がった」（42.7%）、「子供が新しいことに興味を持ちだした」（39.6%）の順となっている。その傾向は子供の年齢が低いほど顕著となり、未就学児は「子供が飽きずに使い続けられる」、「子供の好奇心が広がった」が5割を超える。
■子供がデジタルデバイスを使うことに前向きな保護者が増える
目標とする１日あたりのデジタルデバイスの利用時間は、「まったく使わせたくない」が平日は2019年が20.9％から2021年は14.4％に、休日は2019年が15.2％から2021年は8.7％に減少するなど、デジタルデバイスの利用に前向きな保護者が増えている。
■新型コロナを経て子供の自立心を重視する傾向に
新型コロナウイルス感染症の流行を経て、子育てに対する価値観は「自分で出来ることは自分でする」（53.6%）、「他者への思いやりを持つ」（49.5%）、「約束を守る」（49.0%）、「子供自身が考える・決める力をつける」（47.9%）、「子供が得意なこと・好きなことを伸ばす」（47.1%）となり、より自立心を重視するような回答が増加している。
＜調査概要＞
調査名：「子どものデジタルデバイスの利用と子育てに関する調査」
調査対象地域：日本全国
調査対象：20代～40代の日本全国の3歳から小学校高学年の子供を持つ男女 618名
調査期間：2019年9月6日(金)～9月7日(土)/2021年4月23日(金)～26日(月)
調査方法：インターネット調査
