文部科学省は「今後の教職員定数の在り方等に関する国と地方の協議の場」を設置し、5月17日(月)に第1回の会議を開催。萩生田文部科学大臣、熊田総務副大臣、丹羽副大臣、鰐淵大臣政務官が出席した。協議の場には、全国知事会、全国市長会、全国町村会、総務省から参加し、意見交換が行われた。
■35人学級への定数改善にあたり課題解決に向けた協議の場を設置
2021年3月31日に成立した義務標準法の一部を改正する法律により、全国の公立小学校では約40年ぶりに40人から35人学級へ、5年間で段階的に引き下げられることになった。この定数改善実施にあたり、国と地方が課題を共有し、連携して課題の解決に向けた改善策を検討するため「今後の教職員定数の在り方等に関する国と地方の協議の場」が設置された。
■教職員定数の適切な配置や外部人材の適切な配置を求める
萩生田大臣は協議の場で取り上げてほしい課題について、「加配定数を含めた教職員定数の適切な配置」、「質の高い教師の確保や正規教員の配置の促進のための取組」、「外部人材の活用」、「少人数学級の効果の検証」、「教室不足への対応を含めた教室の環境整備」などを挙げ、校務支援システムの整備についても述べた。
■個別最適な学びと協働的な学びの実現に向けて
また、萩生田大臣は「今回の法改正は1人1台端末と少人数学級を車の両輪として学校の教育環境を大きく変え、個別最適な学びと協働的な学びを実現することが目的。この新たな学びの実現に向けて、小学校の35人学級を今後5年間で円滑に導入していくことが極めて重要であり、この課題を国と地方が協力して解決していく必要がある」と伝えた。
■中学校の35人以下学級につながるように
全国知事会の飯泉会長は「地方における小学校の少人数学級の良い事例を文科省や地方3団体、6団体で積極的に発信、共有・横展開をしていく。今回標準法を変えたことが理解され、中学校の35人以下学級につながるように取り組んでいく」と語った。今後、定期的に協議の場を開催して議論を進め、意見を政策に反映させていく。