ワコムとエスディーテックは、教育およびその他の分野においてAIを活用した「手書き×デジタル」の利用による革新的な新サービスを実現するための共同開発を開始した。本共同開発においては、より深いレベルでの協業と業務の提携を実現するため、3月16日付けで資本提携を行った。
■デジタル環境で「手書き」を生かす
ワコムはペン入力機器「ペンタブレット」で市場をリードする一方、タブレット端末やスマートフォンなどに搭載するデジタルペンのソリューションを、OEMにて業界各社に提供。学習シーンでもデジタルペンの利用が広がりつつある中、「デジタルインク」技術WILLをデジタル環境で「手書き」を生かす取組とともに提唱し、新たな価値の創出を目指す。
■利用者を中心に置いたモノづくり
エスディーテックは、利用者を中心に置いたモノづくりを掲げ、「デザイン」「テクノロジ」「データサイエンス」の力を一体運用する「デザインエンジニアリング」を持って、先進的な自動車HMIの開発やカラオケリモコン端末UIなどの開発を行っている。
■全ての工程をワンストップで支援
DXの領域においては、そもそも何を目的としてDXを推進すべきかといった発想の段階から顧客と共に道筋を作り、具体的なデータ活用方法、サービスや製品のデザイン・開発まで、全ての工程をワンストップで支援する。
■手書きの「デジタルインク」データをAIによって処理
今回の共同開発は、手書きの「デジタルインク」データをAIによって処理することで、利用者にもたらすことのできる価値と重要性に深く共感した両社が、教育分野に始まり、その他の領域においても新サービスの共同開発および社会実装のために連携・協働する。
<ワコム 代表取締役社長兼CEO 井出信孝氏 コメント>
「エスディーテックとワコムは、3年以上にわたって“手書きとデジタルの可能性”を体験できるユニークなコンセプト型試作モデル(Proof of Concept)の制作で協力してきた。今回の提携ではコンセプトの域を超え、教育分野に始まり、その他の分野へもデジタルインクの新しいサービスを提案し、社会実装・運営していくことを目的とした共同開発に取り組む。この共同開発から新たなビジネスモデルが生まれ、共にエコシステムを形成するパートナーと連携して市場に送り出すことで、“Chapter 3(ワコム第3章)”をけん引する革新的なサービスへと結実させていきたいと考える」
<エスディーテック 代表取締役社長 川端一生氏 コメント>
「人そのものに着目するエスディーテックにとって、デジタルペンによる手書きのデータを蓄積し分析することに、大きな可能性を感じた。ワコムとの3年以上にわたる実験を通し、手書きの良さを改めて認識すると共に、同じものを書いても人により違いがはっきりと出ることがわかり、人に寄り添うパーソナライズされたAIを実現させることができると確信した。ワコムとの共同開発により、次々に革新的なサービスを提案して行き、多くの人々の役に立つことを楽しみにしている」