文部科学省は全ての高等学校及び中等教育学校(後期課程)に対し、「通級による指導」の実施状況の調査を実施。その結果、2019年度に通級による指導が必要と判断した生徒は2485人に対し、1479人の生徒に通級による指導が行われなかったことが分かった。
■通級による指導が行われたのは半数に満たず
通級による指導とは軽度の障害がある生徒に対して、各教科等の授業は通常の学級で行いつつ、1人1人の障害に応じた指導を「通級指導教室」で行うこと。2019年度、国公私立の高等学校において「通級による指導」が必要と判断された生徒は2485人。その内訳は都道府県立学校2221人、市町村立学校163人、私立学校101人。この中で実際に「通級による指導」が行われた生徒は1006人となっている。
■最多の理由が「指導体制が取れなかったため」
「通級による指導」が必要と判断されながら、行われなかった理由として、最も多かったのが「指導体制が取れなかったため」で1085人。次いで、「本人や保護者が希望しなかったため」が337人となっている。
■「指導体制が取れなかった」の最多は大阪府の224人
都道府県別に見ると、「指導体制が取れなかったため」に通級による指導が行えなかったのは大阪府が最も多く224人、次いで東京都162人、岐阜県161人、沖縄県67人となっている。「本人や保護者が希望しなかったため」に通級による指導が行えなかったのは愛知県の47人が最多で、次いで三重県の46人となる。
高等学校及び中等教育学校における「通級による指導」実施状況調査 都道府県+市町村立