学校法人先端教育機構と月刊「先端教育」は全国市区町村の教育委員会を対象に、GIGAスクール構想に伴うオンライン教育の意識調査を実施。313の教育委員会からアンケートの回答を得たところ、端末の持ち帰りは3分の1が前向きに検討していることが分かった。
■約9割の小中学校で2020年度中に整備が完了
1人1台の端末整備は、2021年3月中に9割前後の公立小中学校で整備が完了する見込み。コロナ禍により、整備スケジュールが当初の予定より前倒しとなり、2021年度から「GIGAスクール元年」が幕を開けることになる。
■小学校は直感的に操作できるiOSを好む傾向に
1人1台端末に導入するOSは、小学校の場合、iOS・Chrome・Windowsの3つがほぼ同率で割れている。一方、中学校ではChromeとWindowsが2トップとなっている。 中学校より小学校でiOSを導入する比率が高いのは、小学校では直感的に操作しやすいタブレットを好む傾向があると思われる。
■3割の自治体が端末の持ち帰り利用を前向きに検討
端末の活用範囲は、授業・学校内での活用が半数以上を占める。一方、およそ3分の1の自治体が「自宅での持ち帰りも含めて活用する」と回答。「当面は授業に限定する」との回答は8%であることから、持ち帰りなど端末の積極的な利活用に向けて前向きに検討していることが伺える。
■最大の課題は「研修・サポート」
端末の利活用において課題と考えていることは「教員全員がICT機器の最低限の基本操作・知識を身に着けること」や「教員のICTを活用した指導力向上」など教員の研修や、「ICT支援員の確保」などサポート体制に関する内容が、最多の29.7%を占める。次いで、「端末の持ち帰り(家庭学習での利活用)」と、端末の管理・更新等に関わる「コスト」が9.6%となっている。
<調査概要>
調査主体:学校法人先端教育機構、月刊 『先端教育』
調査対象: 全国市区町村 教育委員会 (送付数:1741件、回答数:313件)
調査内容: GIGAスクール構想におけるオンライン教育の環境・取り組み状況・課題・今後の計画 等
回答方法:WEBフォームを利用したアンケート調査
回答期間:2021年3月1日~3月16日