本を多く読む子供は「知識」だけでなく「思考力」も伸びている。これはベネッセ教育総合研究所が行った、小学5年生から6年生の1年間にわたる「読書履歴データ」と「実力テスの結果」に加えて、「アンケート調査」を組み合わせた分析から明らかとなった。
■思考力を問う「読解問題」「挑戦問題」にもプラスの効果
本を多く読んでいる子供ほどテストの偏差値の変化にプラスの効果があった。その傾向は、漢字や文法などの「知識問題」だけでなく、思考力を問う「読解問題」や「挑戦問題」においても同様の結果が見られた。このことから読書は知識の獲得に有効なだけでなく思考力などの多様な資質・能力を高めていることがわかる。
■読み方を工夫して読書の効果を実感
本を多く読んでいる子供ほど「最初から最後まできちんと読む」「気になったところを読み返す」「登場人物の気持ちになりながら読む」など、読み方を工夫し、読書の効果を実感している。また、本を多く読んでいる子供は「長い文章を読めるようになった」「新しいことを知ることができた」「興味のあることが増えた」「知っている漢字や言葉が増えた」など、自分でも読書の効果を実感していることが分かった。
■読書は心理的な安定にもつながる
本を読んでいて「時間がたつのを忘れるくらい夢中になる」「心が落ち着く」ことを肯定する比率も本好きの子供の方が高い。コロナ禍で心の健康について報じられる機会が増えているが、読書は楽しみを広げ、気持ちの面でも大切な存在となっていることがわかる。