文部科学省初等中等教育局は「(通知)GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について」「(通知)GIGAスクール構想の実現に向けた通信ネットワークの円滑な運用確保に係る対応について」「(通知)GIGAスクール構想における高等学校の学習者用コンピュータ等のICT環境整備の促進について(令和3年3月12日) を3月12日(金)に発出した。通知では2021年4月から1人1台端末を本格的に活用するにあたり、各学校設置者等が留意する点などをまとめている。
■1人1台端末が積極的に活用されるようフィルタリングなどの設定を求める
この通知は、都道府県教育委員会教育長、指定都市教育委員会教育長、都道府県知事などに向けて発出。通知では、整備された端末がクラウド活用を基本として積極的に利活用されるよう、フィルタリングなど各種サービスの設定、カメラ機能やネットワーク機能の設定等を適切に行うよう求めている。
■端末を持ち帰り自宅で利用するために家庭でのルール作りを促進
端末を持ち帰り、自宅等での学習においてもICTを活用することは有効だとする。家庭での端末の利用に関するルール作りを促進し、保護者や地域の十分な理解を得られるよう努めることなど、端末の持ち帰りを安全・安心に行える環境づくりに取り組むこととする。
■家庭学習のための通信機器整備支援を活用
また、経済的な理由等により家庭に通信環境が整っていない場合は、令和2年度補正予算に計上している「家庭学習のための通信機器整備支援」を積極的に活用するよう記載されている。
■学習用ツールの制限などは安易に行わないよう求める
ICTの積極的な利活用については、表計算ソフトやカメラなどを各学校において活用することが有効と示している。一方、一部の地方自治体では表計算ソフトやカメラなどの学習用ツールを一部使用できないよう制限するといった事例が発生している。GIGA スクール構想の趣旨を踏まえれば、こうした制限は安易に行うものではなく、1人1台端末を積極的に利活用する中で解決を図ることが重要だとする。
■視力や姿勢など目の健康には注意
「ICTの活用に当たっての児童生徒の目の健康などに関する配慮事項」を参照しつつ、視力や姿勢、睡眠への影響など、児童生徒の健康に配慮するよう注意を促している。
■1人1台端末運用にあたってのチェックリストを用意
通知では、1人1台端末の運用を円滑に行うために学校設置者等に求められるタスクの整理ができるようチェックリストを用意。「管理・運用の基本」、「クラウド利用」、「ICTの活用」、「研修・周知」、「組織・支援体制」のポイントについて34項目のチェックを設けた。
■学校設置者が自らのネットワーク環境の評価を事前に行う
また、同じくGIGAスクール構想の実現に受けて、「通信ネットワークの円滑な運用確保」や「高等学校の学習者用PC等のICT環境整備の促進」についても3月12日に通知を発出した。「通信ネットワークの円滑な運用確保」では各学校設置者が自らのネットワーク環境の評価(アセスメント)を事前に行うための対応策について取りまとめている。