NPO法人カタリバは「カタリバオンライン」で、震災遺族の元教員が宮城県の旧石巻市立大川小学校の校庭から「防災と命の授業」をオンライン配信する特別プログラムを3月11日(木)に実施する。
■震災と向き合うことで命を風化させない
特別授業の講師である佐藤敏郎氏は、10年前の東日本大震災で発生した津波により、大川小学校に通っていた次女を亡くした。「あの日あったことに目を背けるのではなく、向き合うことで、あの日までたしかにあった大川の風景、命を風化させないようにしたい」という想いから講演を行っている。
■震災で得た教訓を未来に活かす
東日本大震災で得た教訓を未来にどう活かせばよいのか、一人ひとりの防災意識をどのように変えていけばよいのかなどをテーマに、全国の学校などで講演を行っているほか、被災地でのスタディツアーなどを実施している。
■災害に対する意識が変わることを願って
今回のプログラムでは、「大川小学校に津波が来るとわかってから約50分間という時間があったにも関わらず、なぜ教員や子供たちは津波に飲み込まれてしまったのか」という問いに、全員で向き合うワークショップを実施。オンライン授業を通じて、参加した子供たち全員の災害に対する意識が変わることを願って行われる。
■物理的な距離を超えて子供たちにメッセージを伝える
全国1300人以上の子供たちに向けて授業をオンライン配信。物理的な距離を超えて子供たちにメッセージを伝える「GIGAスクール時代の、新たな授業のカタチ」の一つの事例にもなればと考える。
<防災と命の授業 概要>
開催日時:3月11日(木) 第1部 10:00~11:00、第2部 14:30~15:00
形態:Zoomを利用し、オンラインで開催する
参加対象:
全国の小学校、中学校、高等学校、フリースクール、教育支援センター
様々な事情により自宅で過ごす全国の小学生、中学生、高校生または保護者
プログラム:
【第1部】防災と命の授業「もしもは、いつもの中にある」
10:00~10:03 オープニング
10:03~10:23 旧大川小学校の校庭から中継、佐藤敏郎氏の授業
10:23~10:30 子供たち同士で感想などシェア
10:30~10:45 ワークショップ「津波が来るまで50分間あったのになぜ逃げられなかったのか」
10:45~10:55 発表
10:55~11:00 まとめ
【第2部】被災地・女川からの中継と黙とう
14:30 女川の献花台から中継
14:46 黙祷
14:47 感じたことを共有
参加方法:以下のWebの申し込みフォームから登録
一般参加申込み締切り:2021年3月8日(月)23:59
<講師 佐藤敏郎氏 プロフィール>
1963年、宮城県石巻市生まれ。宮城教育大学卒業後、中学校の国語科教諭として宮城県内の中学校に勤務。東日本大震災当時は、宮城県女川第一中学校(現在の女川中学校)に勤務。震災で当時大川小学校6年の次女を亡くす。2013年末に「小さな命の意味を考える会」を立ち上げ、現在は、全国の学校、地方自治体、企業、団体等で講演活動を行う。2016年「16歳の語り部」(ポプラ社)を刊行、「平成29年度 児童福祉文化賞推薦作品」を受賞。