能都町と石川県立能登高等学校が協働で取り組む能登高校魅力化プロジェクトでは、2020年度から能登高留学の計画を立ち上げ、2021年4月から第1期生の受け入れを開始する。能登高留学は生徒に多様な価値観を体験してもらうとともに、「生涯の友人」と呼べる関係人口を創出することが目的とされる。
■能登の里山里海を学びのフィールドとして展開
能登高校魅力化プロジェクトは、2016年度から能登町と能登高校が協働し、能登の里山里海を学びのフィールドとして、高校生の学びと成長を通した活動が地域に活力を与えることを目的に取り組んでいる。その背景には、少子化に伴う生徒数の減少により統廃合が行われ、町内唯一となった高校の存続と発展を願う町民の想いがある。
■高校2年生が1年間の能登高留学を体験
能登高留学は、内閣府「高校生の地域留学推進のための高校魅力化支援事業」の採択を受け2020年度に事業を開始。高校2年生が1年間、在籍校から能登高校へ留学し、寮生活をしながら能登の里山里海で学び、充実した高校生活を送る。これにより卒業単位を確保しつつ新たな出会いや体験を得る。1年の留学期間を終えた後は元の在籍校に戻り、高校3年生となる。
■地域産業科で留学を受け入れ
能登高等学校には普通科と地域産業科があり、能登高留学ではより能登を体感できる地域産業科で受入れを行っている。地域産業科は生物資源コース(農業・漁協)とビジネスコース(商業)に分かれ、生物資源コース農業選択では野菜や果物を育て、収穫し届ける喜びを体験できる。水産選択では実習船「おおとり丸」での体験航海や漁業実習を行い、2級小型船舶免許の取得が可能。
■地域と密着した課題解決型学習
能登町には、高校生が参加できる地域の祭りやゼミ活動、町主催のイベントで高校生と地域の大人が協働・共創する機会が多くある。総合的な探究の時間や地域創造学の授業では、地域課題やSDGs、働く意義等を探究。地域貢献プロジェクトでは地域イベントに参加し、地域と密着しながら自身の未来をデザインする力を身に付けるキャリア教育を行っている。
■留学生は寮生活で食事も3食用意
留学生は男女80名収容可能な鳳柳寮で共同生活を行うなかで、多様な他者とのコミュニケーションを図りながら協調性と社会に出てから必要な判断力・行動力を育んでいく。学校まではスクールバスでの送迎があり、栄養士が管理した食事が3食用意され、昼食は学校にお弁当が届く。男女の居住棟は別れ、夜間には教員と補助舎監(生活指導補助員)が待機しており、親元を離れても安心して生活できる環境が整っている。
■2022年度の留学生も募集
能登高留学では2022年度の留学生も募集。2021年度に高校に入学する人が対象となる。興味がある人は以下の連絡先に問い合わせる。
石川県能登町役場 ふるさと振興課 地域戦略推進室
能登高校魅力化プロジェクト担当
TEL:0768-62-8527
E-mail:chiikisenryaku@town.noto.lg.jp