東京都立三鷹中等教育学校は動画制作なども行えるICT機器を備えた「メディアラボ」を開設し、生徒の創造性の育成と発揮を支援する。
■アドビとインテルが共同で実証研究を実施
「メディアラボ」の開設にあたってはアドビとインテルが共同で支援。メディアラボの有効性を示すモデルケースを作り、全国の高等学校のPC教室環境が時代のニーズに合ったものへとアップデートされるよう啓発することを目的に実証研究を実施する。
■最新のICT機器で動画制作などを行う
実験研究校となる三鷹中等教育学校は、すでに1人1台PCを生徒に配布し、CM模倣動画をつくる活動を授業に盛り込むなど情報教育に力を入れていた。しかし、配布されているPCは画面が小さく、クリエイティブツールを使うには機能が十分ではなかった。そこで最新のICT機器を備えた「メディアラボ」を開設した。
■動画制作ソフトなどクリエイティブツールにも対応可能
メディアラボとは、動画制作ソフトなどのクリエイティブツールにも対応可能な機器を備え、高校生の創造性の育成と発揮を支える場所となることを目的につくられた教室。開設にあたり、インテルは動画制作にも十分対応が可能な仕様を備えた マウスコンピューター製 DAIV Z7を8台提供。また、4K対応 iiyama液晶ディスプレイなど機材環境を整えた。アドビはCreative Cloudユーザー指定ライセンスを提供し、映像や動画編集のプロも使用するクリエイティブツールが使える環境を実現した。
■ワークショップで動画制作を学ぶ
メディアラボ開設に先駆けて1月30日(土)・31日(日)には「Adobe Premiere Pro 講座［基本編］」と題したワークショップを実施。インストラクショナルデザイナーやAdobe Community Evangelistとしても活動する境祐司氏が講師を務めた。生徒たちはプロの現場でも使われる動画編集ソフトを利用しながら、動画のカット編集やテロップの入れ方、アニメーションの設定のしかたなど動画制作について学んだ。
■プロも使う動画の技術を身に付ける
ワークショップの応用編として「Adobe After Effects 講座 ～Adobe Character Animator 制作体験～」を2月21日(日)に実施。このワークショップでは、Adobe After Effectsを使い、アニメのキャラクターを動かす方法や、実際の静止画にはないエフェクトを追加する方法など、プロのクリエイターも活用しているスキルを学んだ。
■普段使うPCではできないこともできる
ワークショップ後、感想を聞かれた生徒は「短い動画を作るのにもすごく時間がかかった。今まで楽しんで見ていたテレビやYouTubeの後ろには、とても大変な努力があることを知った」と答えた。また別の生徒は「普段使っているPCではできないことが、このワークショップではできると思い参加した。今回使ったツールは使いやすく、自分の表現したいことを形にできた」と、より創作活動に興味を持った様子で答えていた。
三鷹中等教育学校
