新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、奈良県生駒市立あすか野小学校(石村吉偉校長)は1人1台のタブレットを活用したオンライン修学旅行を2月16日(火)に実施する。その詳細なプログラムが決定した。
■広島へのオンライン修学旅行に向けて準備を進める
生駒市立あすか野小学校の小学6年生157人は、広島への修学旅行を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響から、現地には行けなくなり、オンライン修学旅行の実施を決定。実行委員会や広報係の児童が中心となり、企業や団体とオンライン会議で話し合うなど準備を進めてきたが、2月16日の実施に向けて詳細なプログラムが決定した。
<プログラム> ※新型コロナウイルス感染症の影響等で変更の可能性あり
8時30分~10時20分「タイムマシンで過去・未来、そして広島へ」
5つの部屋を巡りながら、それぞれ違う視点で平和を学ぶ。
①未来の部屋…タイムマシンに乗っているかのような空間を作り「人間がAIと結婚する」「最終処分場がいっぱいになり、ゴミが受け入れられなくなる」など未来に起こると予測されている出来事が平和にどう影響するかを考える。
②過去の部屋…今回の修学旅行に関係する書籍から平和を学ぶ。
③広島焼きの部屋…オタフクソースの社員や生駒の「お好み焼みっちゃん」の店長を学校に迎え、広島焼きの歴史やレシピを聞く。
④宮島の部屋…映像を通してフェリーに乗って厳島神社に向かい、子供たちが手作りしたおみくじを引く。
⑤平和記念公園の部屋…7か所の3D写真を見ながら歴史を学ぶ。
10時25分~11時30分「被爆電車にオンラインで乗車」
広島電鉄の被爆電車にオンラインで乗車する予定。実際に電車が被爆した場所をはじめ、原爆ドームや平和記念公園の沿線を巡ってから、広島電鉄の社員から被爆電車について詳しい説明を受ける。広島電鉄の車掌の帽子や制服を児童が着て、特別一日乗車券をもぎるなどの演出もする。なお、被爆電車のオンライン乗車は広島電鉄として初めての試みとなる。
11時35分~12時20分 「五日市小学校と平和学習交流」
広島市立五日市小学校の6年生とオンラインで繋がり、6年間かけて学んできた平和についての発表を聞き、意見交換する。
13時20分~13時45分「宮島のお願い事袋つくり」
今回の修学旅行のためにお願い事袋を用意した。着物の生地でできた色とりどりの袋の中から自分の好きな柄を選び、宮島の印が付いたしゃもじに願い事を書き、袋を完成させる。
13時50分~14時35分「海外からのメッセージ」
海外の3つの国のゲストから平和について学ぶ。前半はゲストの顔を隠し、出身国が分からない状態で話を聞いて国を当てる。後半はゲストの表情を見ながら、平和観や仕事を通した平和への貢献の仕方などを学ぶ。
14時40分~15時25分「折り鶴に祈りを込めて」
平和記念公園の映像を見ながら、事前にあすか野小学校6年生が歌った「ヒロシマの有る国で」の録音を流す。原爆の子の像の前で、代表の児童が今回の旅行から学んだことを語り、全校児童で折った折り鶴を捧げる。
<石村吉偉校長 コメント>
広島への修学旅行はコロナ禍で中止になったが、新しい形で平和学習の機会を実現することで、いろんな角度から平和について考えることができた。広島電鉄の制服を借りることを子供たち自身が交渉したり、修学旅行のしおりづくりを地域のデザイナーの協力で実現できたりと、多くの人の協力があれば、自分たちが「やってみたい」と思っていたことを自分たちの手で実現できるという自信にもつながっていると思います。私も当日が楽しみです。