一般社団法人日本産業技術教育学会(村松浩幸会長/信州大学)は、中学校プログラミング教育の実態調査を行い、報告をまとめた。全日本中学校技術・家庭科研究会および全国中学校産業教育教材振興協会の協力を得て同研究会が実施した全国の中学校を対象とした技術・家庭科技術分野「D情報の技術」の実践状況を調査。令和元年10 月21 日(月)から12 月20 日(金)に実施し、1285校が回答した(調査対象中学校10,649 校,回答率12.04%)。プログラミングに関する内容は,「 D情報の技術」で実施している。本調査を踏まえ、同学会では今後、中学校の実践事例集を編集。中学校教員用研修教材および実践支援資料等も順次公開予定。令和3年度以降の新学習指導要領の正式実施後の状況調査も検討している。
調査によると、各校限られた時間数や教育環境の中、工夫しながら実践を進めていることがわかった。
技術科教員が各校1名が大半であり、今後はネットを活用して参考になる指導事例や資料・研修教材の配布やオンラインで研修を受けられたりできる対応も必要であるとしており、GIGAスクール構想により,特にネット環境の改善がなされることで対応した実践の展開が期待できる。
指導内容の多さに比べ、授業時間数の少なさも課題で、技術科教員の負担になっている点も明らかになった。今後は中学校でのプログラミング教育の充実のためにも, 授業時間数の増加が必要としている。
また、USBポート等の使用規制については,学校事にかなり対応が分かれている。特に。計測・制御系の教材では必要になる場面が想定されるため,適切なガイドラインを設定する中で,学習に支障が無いことを優先した運用を検討する必要があると考えられる。
調査項目:
〔I〕 学校の基本情報
〔II〕プログラミング教育実施状況調査・調査項目
[III] コンピュータ等の施設・設備及び学習環境の現状
調査対象:D(1),D(2),D(3)の実施状況について
「D(1)生活や社会を支える情報の技術」の実施状況
「D(2)ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」の実施状況
「D(3)計測・制御のプログラミングによる問題の解決」の実施状況
セキュリティ等,環境について
調査結果を踏まえた本学会の対応