奈良県生駒市立あすか野小学校は、新型コロナウイルスの影響で行けなかった広島へ、オンラインを活用した新しい形の修学旅行を2月16日(火)に実施する。
■企業や団体と話し合いながら準備を進める
あすか野小学校の157人の小学6年生が、オンライン修学旅行の実施に向けて、児童は2020年11月から準備を進めてきた。実行委員会や広報係の児童が中心となり、企業や団体とオンライン会議を行ってきた。
■1人1台のタブレット端末を活用してオンラインで広島見学
オンライン修学旅行当日の2月16日は、1人1台のタブレット端末を活用。3D写真で原爆ドームや原爆の子の像などを見たり、協力先の広島市立小学校や広島電鉄とオンライン会議を進める。さらに、授業支援クラウドを使い、ゲーム感覚も取り入れながら平和を学ぶ。
■大学生が修学旅行をサポート
あすか野小学校はコミュニティ・スクールを推進しており、当日も地域の大学生が修学旅行をサポートする。
<プログラム>
①電車から学ぶ(協力/広島電鉄株式会社)
広島電鉄の被爆電車にオンラインで乗車予定。電車が実際に被爆した場所をはじめ、原爆ドームや平和記念公園の沿線を巡る。終点地点では、被爆電車について広島電鉄の社員から詳しい説明を受ける。現在、児童は当日使用する「広電一日特別乗車券」を作っている。
②未来予測から学ぶ(協力/博報堂生活総合研究所)
未来に起こると予測されている環境問題や人口問題、技術革新などの幅広い分野から平和について考える。教室をタイムマシンに見立て、実際に未来を訪れるように工夫。児童は未来年表を使い、平和に関わりがありそうな未来の出来事を選んでいる。
③同級生から学ぶ(協力/広島市立五日市小学校)
広島市立五日市小学校とオンラインで繋がり、五日市小学校の児童が6年間で学んだ平和についての発表を聞く。1月22日(金)に、双方の学校の子供たちでオンラインミーティングを実施するなど事前交流を行っている。
④食から学ぶ(協力/オタフクソース株式会社、お好み焼きみっちゃん)
広島焼きやオタフクソースの歴史を通して「食」が支えた平和を考える。また、家で広島焼きを作るためのレシピも学ぶ。
⑤海外から学ぶ(協力/Orbis Investments日本法人代表取締役社長 時国司)
海外の3つの国からゲストを招待。前半は顔を隠し、どこの国の人か分からない状態で話を聞き、児童は国を当てる。後半は表情を見ながら、ゲストの平和観や仕事を通した平和への貢献の仕方などを学ぶ。
以上、5つの観点から学んだ後、1人1人が「平和とは何か?」という問いに向き合う。最後は「ヒロシマの歌」の合唱を流しながら、全学年で折った折り鶴を原爆の子の像に捧げるセレモニーを行う。