ロボット掃除機ルンバで知られるアイロボットはプログラミングロボット「Root」を2月19日(金)から、アイロボット公式オンラインストアなどで発売を開始。また、全国の小学校を対象に1校につき6台、合計1000台を無償提供するなど教育市場への導入を開始した。
■Level1からLevel3の3段階のレベルで構成
プログラミングロボット「Root」は、子供が感じる楽しさやワクワクの根っこの部分を大切にしたいという思いからネーミングされた。ブロックをつなげて簡単にプログラムするLevel1、ブロックとコーディングを組み合わせたLevel2、本格的にテキストコーディングするLevel3の3段階のレベルで構成されている。
■小さなルンバのような動き
また、Rootは壁に当たったら跳ね返るバンパーや段差センサーなど、掃除機ロボット「ルンバ」に見られる機能を搭載。無料でダウンロードできる専用アプリでのプログラミングにより、走る、光る、描く、音を奏でるなどの動作が可能となっている。
<淑徳小学校でRootを使ったプログラミングの授業>
1月18日には私立淑徳小学校(東京・板橋区)の3年生を対象に、Rootを使ったプログラミングの授業が行われた。授業者は学年主任の細川雅史教諭。児童は2人1組となり、iPadにダウンロードした専用のアプリのブロックを並べて、Rootをプログラミングして動かすことに挑戦。見本として細川教諭がRootを動かして見せたが、ホワイトボードにくっついたRootが垂直に上りだすと児童から驚きの声があがった。
その後、児童らはRootを動かすだけでなく、ブロックを組み合わせ、動きに合わせて光らせたり、音を出すなどプログラミングを楽しんだ。授業後、児童からは「ルンバをプログラミングしているみたいで楽しかった」などの感想が聞かれた。
細川教諭は「プログラミングの授業は、どの学校も手さぐり状態だと思うが、実際に操作して学べる教材は子供の興味を引き付ける。また、身の回りにある機械はプログラムで動いていることを知り、プログラムにより自分たちの生活が便利になっていると築くきっかけにもなる」と語る。
■Rootを小学校の授業で使う4つの利点
小学校の授業でRootの活用を勧めているRootエデュケーショナルインストラクターの為田裕行氏は、Rootの利点として以下の4つ挙げる。
①人の役に立つロボットとして未来を感じさせてくれる=ロボット掃除機のルンバを知っているので、どんな動きをすれば良いのか考えやすい。
②プログラミング教育の第一歩として敷居が低い=実際にロボットに触れて、音や光を出せるので親しみながらプログラミングが行える。
③プログラミング教育の拡張性=Lebel1からLevel3まで用意され、簡単なプログラミングから始まり、テキストコーディングでRootを動かすなど発展させることができる。
④テクノロジーで問題を解決するロールモデルの存在=ルンバというモデルがあるため、子供たちにとってロボットが社会を便利にすることが想像しやすい。
■「みんなでRoot!プロジェクト」の参加校を募集
「みんなでRoot!プロジェクト」の参加校を1月19日から、Root専用HP「iRobot Education」上で募集中。全国の小学校を対象に1校につき6台、先着順で合計1000台のRootを無償提供する。
<アイロボット・コーポレーションCEO コリン・アングル氏 コメント>
「Rootで世界中の子供たちの無限の好奇心を引き出したいと考えている。子供たちにロボットやモノづくりに興味を持ってもらうことで、将来ロボット開発に取り組んでもらいたいという意図がある」