世界11か国の1000名ずつの子供と保護者、合計2万2000名に対し、学習に関する意識調査と基礎学力を測る学力調査を実施。日本は、学校の授業の満足度、ならびに収入に対する教育費の割合が11か国中最下位という結果となった。
■日本の教育実態を把握するため11か国に調査を実施
スプリックス基礎学力研究所は、グローバルにおける日本の教育実態を把握するため、日本・アメリカ・中国・インド・イギリス・フランス・ポーランド・タイ・インドネシア・マレーシア・ミャンマーの11か国の子供と保護者を対象に学習に関する意識調査を実施した。
■授業に対する満足度は日本は著しく低い
学校の授業に対する満足度の調査では、日本は「学校が提供する授業に満足」は41.8%、「学校の授業についていっている」は66.7%「学校の授業で十分な学力がついている」は30.3%で、いずれも11か国中最下位となった。学校教育に対する満足度において、他国が7割台後半以上であるのに対し、日本は過半数を下回っており、他国と大きく差が開く結果となった。
■学習の個別最適化を望む保護者が多い
保護者の「今後受けさせたい教育」については、日本では「教員から生徒への講義中心の教育」が約 10%と最も少なく、「生徒 1 人ひとりの学力に合わせた教育」が64.4%と最も多い結果となっている。次いで「学習の到達度合いを評価しながら進める教育」と続く。このことから、学習の個別最適化や評価に対する保護者の関心の高さが伺える。
■日本は収入の1~4%しか教育費にかけていない
収入に対する習い事を含む教育費の割合は、日本では 1~4%の家庭が他国に比べて群を抜いて多くなっており3.8%で、11か国中で最下位となっている。教育費の割合が最も高いミャンマーは17.4%で10%以上の差が開いており、日本は収入を教育費にかける家庭が少ないことが分かる。
■自分の力で学習を望む回答も低い結果に
また、「子どもたちがもっと勉強するために必要なこと」という質問で、「自分の力で学習すべき」と回答した保護者の割合も日本が最も低くなっている。このことから、日本の保護者は教育への投資が少ないにも関わらず、自力で勉強すべきとも考えていないことから矛盾をはらんだ結果となっている。
【調査概要】
調査地域:日本・アメリカ・中国・インド・イギリス・フランス・ポーランド・タイ・インドネシア・マレーシア・ミャンマー
調査対象:
子供:6 歳~15 歳 (各国 1000 名・11か国の11000 名)
保護者:上記子どもの保護者(各国 1000 名・11か国の11000 名)
調査手法:インターネット調査
調査内容:
「意識調査」子供、保護者を対象に実施した学習に関するアンケート
「学力調査」子供を対象に実施した 50 問の計算に関する基礎的なテスト
実施期間:2020年8月~9月