岡山県総合教育センター情報教育部では、2018年度の研究成果物として「小学校プログラミング実践事例集」を作成しました。Webサイトでも公開中です。
小学校におけるプログラミング教育のねらいは、育成すべき資質・能力の「三つの柱」に沿って示されています。とりわけ、「プログラミング的思考」(コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力)を育成することが中核となり、学習指導要領総則では、「児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身につけるための学習活動」を計画的に実施することと明記されました。
さらに算数科、理科、総合的な学習の時間の三つの教科等で、プログラミング教育の実践例が示されました。それらは小学校プログラミング教育の手引きが示す「小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類」において「A分類」と位置付けられ、今後の実施が期待されていますが、おおむね高学年を想定したものと捉えることができます。
岡山総合教育センターでは、平成28年より「A分類」とされる実践を中心に、先行事例を収集してきました。その過程で「プログラミング的思考」を育成するためには、「A分類」の学習活動を充実させることはもちろん、多様な学年・教科等でプログラミングを楽しく体験したり、達成感を味わったりすることも含めた「B及びC分類」の実践を系統的に実施することが有効であると考えました。そこで平成30年度は県内9校の協力のもと、「プログラミング的思考を育成する授業づくり」をテーマに多様な実践の収集に取り組みました。
実例集には、実際に小学校で行った授業の詳しい内容がわかりやすくまとめられており、それに加え、児童の振り返り、実践者の声、実践校の声、そして有識者のコメントが添えられています。さらにまとめでは、使用されているプログラミング教材が紹介されています。岡山県では貸し出しも行っているということで、現場だけでなく教育委員会等にも参考になるのではないでしょうか。
小学校プログラミング教育の推進のために|岡山県総合教育センター