日本の10歳未満の基礎学力は11か国中9位という結果となった。これは、世界11か国を対象に、学習に関する「意識調査」および基礎学力を測る「学力調査」を、各国の子供・保護者1,000名ずつ合計22,000名に対して調査を実施したところ明らかとなった。
■低学年の基礎学力不足が顕著に
スプリックス基礎学力研究所は、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ポーランド、インド、中国、タイ、インドネシア、マレーシア、ミャンマーの11か国に対して学習調査を実施。全学年の総合順位では、日本は11か国中4位となった。一方、6~9歳では基礎学力が9位となり、上位国(中国、インド、インドネシア)と比べて、学力に大きな開きがあることが伺えた。
■日本の保護者における基礎学力の必要性認識は95%以上
保護者に対する質問で「基礎学力は大切だと思う」と答えたのは、11か国全体で 94.3%、日本で 95.9%となり、ほとんどの保護者が基礎学力の大切さを認識していることが分かった。さらに、子供の勉強する上での必要不可欠な要素として、96.4%が「基礎学力」と答えており、「応用力」「思考力」などの他の要素と比べてもトップとなっている。
■基礎学力に満足している保護者は11か国中最下位
日本の保護者は基礎学力の必要性を感じているが、「基礎学力に満足している」のは26.1%で、11か国全体の78.0%を大きく下回り、最下位となっている。日本の保護者は基礎学力を重要と捉える一方で、基礎学力に対する危機意識を強く持っていると思われる。
■基礎学力向上のために努力している保護者は少ない
「基礎学力を向上させる努力をしている」と回答した日本の保護者は58.0%に留まり、他国と比べて30%ほど低くなっている。基礎学力を向上させたい意欲と、実際に向上させるための行動との間に大きな開きが生じていると考えられる。
■日本の子供たちは自信欠如の状態に
子供たちへの勉強に関する意識調査では、日本は「計算が好き」と答えた子供が57.1%、「読書が好き」と答えたのが53.9%となり、世界の平均から20%以上低くなっている。
さらに、勉強への自信については「計算には自信がある」が 49.1%、「読解力には自信がある」が 30.0%となっている。好感度と同様に、基礎学力への自信が他国と比べて全体的に極めて低い結果となり、子供たちの自信が欠如していることが伺える。
【調査概要】
調査地域:日本・アメリカ・中国・インド・イギリス・フランス・ポーランド・タイ・インドネシア・マレーシア・ミャンマー
調査対象:
子供6 歳~15 歳 (各国1,000名・11か国の11,000名)
保護者:上記子どもの保護者(各国1,000名・11か国の11,000名)
調査手法:インターネット調査
調査内容:
「意識調査」子供、保護者を対象に実施した学習に関するアンケート
「学力調査」子供を対象に実施した 50 問の計算に関する基礎的なテスト
実施期間:2020年8月~9月