一般社団法人 日本電子出版協会(会長:松田真美[医学中央雑誌刊行会]、東京都渋谷区代々木、略称:JEPA)は、「学校デジタル図書館」を推進するための特設Webページを9月8日に公開した。JEPA電子図書館委員会では、かねてより全国の小中学校の情報格差を解決する学校電子図書館について検討してきたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響下での子ども達の教育活動支援のために議論を加速。JEPA提言として全国均一なインフラサービス「学校デジタル図書館」を推進するキャンペーンを展開することにした。
特設ページは、全国のどの小中学校でも使える「学校デジタル図書館」を国主導でつくることを訴えるもの。動画などでその趣旨を伝える。
文部科学省の学校図書館図書標準は、生徒数によって揃えるべき蔵書数を決めている。都会の大きな学校では蔵書1万2000冊、地方の小さい学校は2400冊と、読める本の数に格差がある。加えて図書室を使えない夜間中学の子ども、海外の日本人の子ども、日本に住む母国(語)が日本(語)ではない子ども、紙の本は読めない子ども、読みたい本の買えない地方の子どもや収入の少ない家庭の子どもを含めると、情報格差は拡がる。
それを解決するのが全国均一なインフラサービス「学校デジタル図書館」だ。義務教育費として利用料を全額、国の負担としてもらうことで子ども達にとって公平なサービスになる。
一方、コロナ禍を機にGIGAスクール構想で1人1台の端末環境が整備された。しかし児童生徒が1人1台PCを持ち、教科書がデジタル化しても、参照したい学校図書館にある図書資料は紙のまま、という状況にある。
「学校デジタル図書館」を用意すれば、書籍、辞書、百科事典、地図、郷土資料、さらには海外の出版物など、豊富で質の高いコンテンツを自宅からでも直接参照できる。生徒全員で同じ資料を読みながら議論することもできる。