教員不足の解消は喫緊の課題だ。文部科学省では、R6年度予算及びR5年度補正予算において、教員の仕事の価値・やりがいの発信、新たな教師人材の発掘、入職前の研修などに使える補助予算を確保してイベントや広報、研修等の実施を支援している。6月17日に開催された中央教育審議会初等中等教育分科会(第144回)では、教員不足の解消に向けた各教育委員会における取組事例を共有した。教職人材の採用・配置は、任命権者である教育委員会の権限と責任に基づいて行われるもの。
現職以外の教員免許保有者向け研修等を行っているのは、R5年度で実施予定は58自治体。
埼玉県=R5年度は7回実施。参加者226人。
うち臨時的任用教職員及び非常勤希望登録者数122人であった。
大阪府=R5年度は2回実施。151人が参加。
神戸市=学習指導や現在の教育課題に関する知識・技能を習得したうえで、学校園で
勤務するプログラムを実施。
講義だけではなく、学校園での勤務に役立つような実践的な研修・学校現場での研修を5回にわたり実施
福岡県=教員志願者向けパネル討議をNPO法人と共催で実施。
千葉県=民間企業と連携して様々なプログラムを展開。R6年4月22日時点で千葉県・千葉市公立学校教員採用情報サイトへの登録者数は、約4,275人にのぼる。
主な取組は次。PR 動画4本/パンフレット(既卒者・大学生向け)/リーフレット(高校生向け)/ポスター2種類(高校生向け・大学生向け/出前講座用スライド2種類(高校生向け・大学生向け/マイナビ掲載ほか
大阪府=テレビドラマとコラボ。カンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ
「GTO REVIVAL」と連携し、令和7年度大阪府公立学校教員採用選考テストを広報。OsakaMetro主要14駅249箇所へのデジタルサイネージ広告を掲載。
鹿児島県=かごしまの先生スタートプログラムを実施。
鹿児島大学が行う履修証明プログラム「学校教育キャッチアップ講座」では、同学の講座の受講料(6万円)を鹿児島県教委が全額負担で実施。R5年度実績は29人。好評につきR6年度は35人まで募集人員を拡大して実施予定。
公共施設や大型商業施設で教師の魅力を発信するイベントを実施。チラシ配布、ポスター展示のほか相談ブースも設置した
仙台市=教員を目指す大学1~3年生が、今抱えている疑問や不安を現場の教員に直接質問し、解決する場を用意。R6は参加対象を高校生まで広げる。
相模原市=さがみはらの学校で学ぼう!DAYを開催。
これは教員を目指す大学生に、ニーズに合わせた学校参観等の機会をつくるもの。
R5年度申込者59人。
札幌市=教師夢プランⅠ・Ⅱ・Ⅲ等を実施。
将来、教員を志し教職課程を履修する大学生(1~3年生)を対象に、教職の魅力を発信するセミナーや初任者研修の見学等を実施。
参加者はR3~R5の各回の平均で約50名程度。
高校生向けに「教師夢道場 debut」も実施(参加人数実績50~100名)
【北海道】北海道教育庁代替教職員応募・任用システムを活用した期限付教員の任用。
応募者は、「履歴書を複数枚作成する」「履歴書を希望管内ごとに郵送する」等の手続が不要。応募者情報は、各教育局や教職員課の任用担当者に共有される
【長崎県】民間等と連携した「教職の魅力化作戦会議」を実施。学校スタッフマッチングシステムを構築。
「教職の魅力化作戦会議」は金融機関や報道、PTA、市町教育長会、
校長会など計12人の委員が発言して県教委の施策に反映させる。
「学校スタッフマッチングシステムの構築」は、多様な人材を掘り起こすため、
スマホ等で簡単に登録できるシステムを構築中。