2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化している。にもかかわらず「取り組んだことがない」教員もまだ多いようだ。しかし、プログラミング教員の体験はその後のキャリアにも影響する可能性が示されている(みんなのコードプログラミング教育実態調査より)。そこでGoogleは、小学校向けのプログラミング教育カリキュラム「 CS First」の日本語版を公開した。
「CS First」は2004年の提供以来、100か国以上200万人以上の児童生徒が学んでいる。これを「文部科学省 プログラミング教育の手引き」を基に日本向の小学校3~6年生向けに設計した。無料で利用できる。
教育カリキュラムは大きく2つ。
■Scratch 初心者向け「プログラミングをはじめよう」
Scratch 初心者向けでプログラミングの基本を「プログラミングで動かそう」「クリックすると何かが起きるプログラムを作ろう」「アニメーションするおめでとうカードを作ろう」「まちをたんけんしよう」の4段階で学ぶ内容。各プログラム30~40分程度。ヒントや解説が画面上に現れるので、1人でも学ぶことができ、振り返りのまとめも提示する。
■「私たちのまちのよさをプログラミンで広めよう」
「総合的な学習の時間」での利用を想定。自分たちが住むまちの良さをフィールドワークやインタビュー、本やWebなどで情報を収集。それを「アニメーション」や「クイズ」、「地図アプリ」いずれかで表現する内容だ。導入用スライドも提供している。
■教員向け支援も
教員アカウントでClassを作成するとダッシュボード上で進捗状況を確認したり、課題を保存したり、スケジュールを設定することができる。
指導書やワークシートのほかオンライントレーニングや研修教材も公開。
▼紹介動画=https://youtu.be/pXKfri3s8yg
甲府市立大国小学校 和地勲教諭
様々な教科でScratchを利用しているが「CS First」の学習で活用がスムーズになった。他教科でも「ゴールを意識して取り組む」姿勢が見られるようになり、話し合いの際もチャートを自然に活用するなど、系統的プログラミングを学ぶことの重要性を改めて認識した。
集中することが苦手な児童が、できた作品に満足することなく何度も試行錯誤を重ねて改良。クラスメートに注目を浴びており、自宅でも積極的に取り組んでいた。この児童の未来が「CS First」で広がった、と感じている。