日本の学校に通う高校生1200人を対象に実施した、日本の高校生の創造力に関する意識調査の結果が発表された。それによると創造力に自信を持つのも失うのも小学校4年生から中学校3年生の6年間が最も多いことが明らかとなった。
■日本の高校生の創造力に関する意識調査を実施
アドビは高校生1200人を対象に、創造力への認識、創造力に影響を与える要因、活動実態を調べるため、日本の高校生の創造力(クリエイティビティ)に関する意識調査を8月7日から19日にかけてインターネットを通じて実施した。
■創造力は後天的なことが要因で培われる
高校生が定義する「創造力」で最も多かったのが「自分らしい個性を自由に表現する力」で63%。次いで「芸術性の高いものを生み出す力」(46%)、「何もないところから新しいものを生み出す力」(46%)、「育った環境や努力によって培われるもの」(45%)と続く。今回の調査から創造力は後天的なことが要因で培われると答えた高校生が多く、「すべての人に備わった力」と考える割合が大きいと分かった。
■創造的だと思う有名人の1位は「ピカソ」
創造的だと思う有名人を聞いたところ1位は「ピカソ」の50pt、その後「野生爆弾くっきー!」(48pt)、「米津玄師」(45pt)、「大野智」(38pt)、「HIKAKIN」(34pt)と続く。選定理由を見ると、多くの選出者が「独自性」を理由に選ばれており、独自性/オリジナリティが創造的なイメージに大きな影響を与えている。
■創造力に自信を持つのも無くすのも小学校高学年から中学校
「自分は創造力がないと思う」人の63%が小学校高学年から中学生の間に自信を失っていることが分かった。一方、「創造力があると思う」人の多くが同時期の小学生高学年から中学生の間に自信を得たと回答している。
■創造力の自信を無くすのは図工や美術の授業が原因
創造力への自信をなくしたきっかけは、図工や美術など創作系の授業での体験にあることが浮き彫りになった。周りの人と比べてへただと感じたり、アイデアが全然思いつかなかったことが原因で自信をなくすなど、図工や美術の授業のあり方が問われる結果となった。創造力に自信を持つきっかけも、人と違う個性的なアイデアがほめられるなど、図工や美術の授業でほめられた体験が大きい。
■コロナ後は創造力が必要とされるという意見が多く
高校生の78%が、コロナ後の社会において創造力は「これまでより必要になると思う」と回答。必要になると思う理由として、「コロナへの対応に必要」「コロナによって社会が変わろうとしているから」という意見が多く見られた。