平成21年度より毎年11月から12月頃、青少年及びその保護者を対象として、情報モラル教育の認知度、フィルタリングの利用度等を調査し、青少年のインターネット利用環境整備に関する基礎データを得ることも目的に、「青少年のインターネット利用環境実態調査」が行われています。この度平成29年度の調査報告書が公表され、内閣府のホームページに掲載されています。
報告書によると、青少年、保護者共にスマートフォンの利用が増加しており、それと共にスマートフォンでのインターネット利用も増加しています。平成26年からの経年変化をみると、全体的なインターネット利用については小学生、中学生で増加しているものの、あまり大きな変化はありません。しかしスマートフォンに限定してみると、小学生、中学生、保護者で右肩上がりのグラフになっています。
青少年の利用するスマートフォンの利用率は、高校生は95.9%とほぼ全員、中学生は平成28年度から50%を超えており、小学生も29.9%とおよそ3人に1人弱の割合でスマートフォンを利用しています。インターネット利用時間は青少年の場合、学校種が上がるとともに長くなる傾向にあり、高校生はすべての利用機器合計で28.1%が5時間以上利用しているという結果が出ました。その利用内容ですが、高校生はコミュニケーション、動画視聴、音楽視聴を利用するという回答が8割を超えていました。小学生は動画視聴が最も多く、また動画視聴は全体にここ数年で利用が増加する傾向にあります。
青少年のインターネット利用に関する問題への取り組みについて、保護者が注意すべきことを知っているか、フィルタリングの認知、青少年インターネット環境整備法の認知についてはほぼ横ばいでした。また、家庭内のルールについても保護者が決めていると思っていても、子どもはルールと認識していない、という意識のずれも依然あるようです。
高校生、学校によっては中学校でも携帯の持ち込みを容認している現状で、またいつでも連絡が取れるようにと親が持たせていることもあり、子どもには使わせない、というのは難しいでしょう。せめて安全安心に利用できるよう、ルールを明文化する、使い方を親子間でオープンにするなど、それぞれの家庭にあったやり方を検討してみてはいかがでしょう。