総務省が青少年のインターネット・リテラシーに関する実態調査を実施し、結果を公表しました。
総務省では、インターネット・リテラシー向上施策の重要性に鑑み、同施策を効果的に進めていくために、平成23年度に青少年のインターネット・リテラシーを可視化するテストを開発し、平成24年度より全国の高等学校1年生相当を対象に実施してきました。本年度は対象校・人数を大幅に増やした上で、インターネット等の利用状況に関するアンケートと共に青少年のインターネット・リテラシーを測るテストを実施しました。テスト内容としては、インターネット・リテラシーの中でも、特に、インターネット上の危険・脅威への対応能力やモラルに配慮しつつ、的確な情報を判断するために必要な能力を、3つの大分類、7つの中分類に整理し、それぞれに対応する多肢選択式問題を作成。数値化することにより、各能力を可視化しました。この結果を集計・分析し、「平成29年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」として取りまとめました。
調査結果によると、本年度の全問正答率は68.8%で、平成28年度正答率67.2%をやや上回りました。不適切利用リスクへの対処能力の正答率が相対的に高く、利用料金や時間の浪費に配慮した利用はできるものの、不適正取引リスクへの対処能力の正答率やプライバシーリスクへの対処能力の正答率が相対的に低く、電子商取引やプライバシー保護への対処等が弱点であることがわかりました。なお、男子より、女子の正答率が高く、学校の所在地区分別では正答率に大きな差は見られませんでした。
青少年の96.2%がインターネット接続機器としてスマートフォンを保有しており、青少年の91.7%がインターネットに接続する際、最もよく利用する機器としてスマートフォンを挙げています。それもあってか、1日当たりの平均利用時間は、スマートフォンの2~3時間の利用が最も多く、他の機器に比べ利用時間が長い結果でした。
フィルタリングについては、青少年の67.9%がフィルタリングを認知しており、フィルタリングを認知している青少年の52.3%がフィルタリングを利用しています。なお、青少年の72%がフィルタリングを肯定的に捉えており、フィルタリングを肯定的に捉えている青少年のうち、50.7%の青少年がフィルタリングを利用しています。インターネットの利用について学校でのルール、家庭でのルールがある青少年の方が、ルールがない青少年に比べフィルタリング利用率が高い結果に。青少年が利用しているSNSは、主にメッセージサービスを目的とするサービスが最も多い中、、フィルタリングを認知し、かつSNSを利用している青少年の約4割がフィルタリングを利用していることがわかりました。
スマ一トフォンが急速に普及し、インタ一ネットがますます青少年にとって身近になる中、青少年がインターネットを安全に安心して活用するためには、インターネット・リテラシ一の向上が急務です。調査結果が安心安全サービスの提供・改善や、OECD等における国際的な指標づくりに役立つことが望まれます。