文部科学省が、平成30年度「英語教育実施状況調査」の結果を公表しました。
小中高等学校の新学習指導要領が公示され、「第3期教育振興基本計画」が閣議決定。これらを踏まえ、公立小学校、中学校及び高等学校等における英語教育の状況について調査し、今後の施策の検討に資するとともに各教育委員会における英語教育の充実や改善に役立てるために実施したものです。
小学校については英語教育の指導体制、中学校・高等学校においては生徒の英語力や言語活動の実施状況、各学校における、生徒の4技能の測定状況や学習到達目標設定の有無について等を調査しました。
調査結果より、中高生の英語力は上昇傾向にありますが、都道府県等による差が大きいこと、目標には届いていないがわかりました。
CEFR A1レベル(英検3級)相当以上を達成している中学生、CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上を取得している高校生の割合はともに増加傾向にあるものの、都道府県・指定都市による差が大きく、全体としては未だ目標(各50%以上)には到達していません。中学校では「さいたま市」が75.5%と最も高く、「福井県」61.2%、「横浜市」55.9%、「大阪市」52.8%と続きました。高校では「福井県」が56.0%と最も高く、「富山県」54.8%、「秋田県」53.3%などが続きました。
新学習指導要領では、ICT等の活用により、指導の効率化や言語活動の更なる充実を図るようにすることを明示。 ICT機器を活用していると回答した割合は小学校99.0%、中学校95.8%、高等学校88.6%でした。活用状況については「デジタル教材等の活用」が最も幅広く行われているほか、学校段階が上がるにつれて「話すこと」や 「書くこと」の言語活動に活用している割合も上昇しています。。
小中連携の推進、ICTの活用等の数値が高い都道府県・指定都市ほど、生徒の英語力に関する指標を満たしている割合が高くなっています。今後の英語教育の方向性のポイントとなりそうです。