近畿大学は学内のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けて、オンライン生放送学習サービスのSchooとアドバイザリー契約を締結。Schooは専門アドバイザーとして支援を進めていく。
■近畿大学へDX支援の提案
近畿大学は2015年以降、Schooとの連携を開始。通信教育部のタイアップ授業の制作・配信、学生によるスクールプラットフォームの利用などで協力してきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、教育機関のオンライン化が急務とされ始めた2020年3月頃、Schooから近畿大学へDX支援の提案が行われた。
■教室のスタジオ化に向けたアドバイスなどを実施
Schooのオンライン生放送学習サービスで培った経験を活かし、①教室のスタジオ化のための機材の選定や準備に関するアドバイス、②オンライン講義配信ツール・DXツールの選定における情報提供及びアドバイス、③学内全体のDX推進に関わる管理体制の構築と運営へのアドバイスなどが行われる。
■オンラインで双方向型学習を実現
Schooはオンライン生放送学習コミュニティ「Schoo」を運営。実社会に生きる力を生放送コミュニティの中で身につけるのがねらい。法人向けに研修・動画学習コンテンツを提供するほか、ライブ配信教育システムで双方向型学習をオンラインで実現している。また、地方自治体と協力して、遠隔教育を活用した地方創生に取り組んでいる。
■DX実現に向けて様々なアドバイスを実施
近畿大学とSchooは2015年からオンライン教育の可能性について実証実験を重ねてきた。経営学部ではSchooが製作した補強教材を活用している。今回の協定により、DX推進のアドバイザーとしてSchooが支援。近畿大学のDX実現に向けて、あらゆる角度からのアドバイザリーを実施する。
■好きな時に、好きな授業が受けられる環境を目指す
近畿大学は好きな時に、好きな授業が受けられるオンデマンド化に向けて動き出した。コロナ禍により、多くの大学がZoomなどを活用したオンライン授業を取り入れたが、近畿大学はZoomの教員向け有償ライセンスを3000人分購入、slackも約36000人分の全学生・教職員に導入するなど、オンライン授業の質向上が目指される。
■多くの学生がメディア授業に肯定的
メディア授業に関する感想を、すべての学生にアンケートを行ったところ、77.6%の学生がメディア授業に肯定的だった。また、66.4%の学生がオンラインの授業中にクラス内でのやり取りは行いやすいと答えている。コロナ禍により、いつクラスターが発生しても対応できるように、DX化の推進が期待されるが、授業を受ける場所を「教室」か「サイバー空間」か、学生が自由に選択できる環境を構築する。
■通信教育部の教養科目を作成
今後、近畿大学通信教育部のオンライン化を主導し、2021年4月までに教養科目のうち20科目程度を作成。その後、外国語科目や専門科目についてもオンデマンド化を検討する。
<近畿大学 通信教育部長 世耕石弘氏 コメント>
コロナ禍において大学教育は大きく変わろうとしている。近畿大学もSchooと協定を結び、教育のデジタル化の推進を図っていく。Schooが手がけてきた数多くのコンテンツ作成の経験や、多くの会員の意見をもとに培われてきたコンテンツ改善などの知見を活かし、大学の授業の質を「担保する」のではなく、「より高める」アドバイスが期待できる。
<株式会社Schoo 代表取締役社長CEO 森健志郎氏 コメント>
近畿大学との取組は、同大学のためだけではない。グローバル化・少子高齢化・コロナウイルスによる消費者の変化など大きく変貌していく時代に合わせた「これからの大学の在り方」を探って確立していく、日本全体のために必要な取組となる。我々の知見を最大限に活用し、未来の日本をつくる取組を推進していければと考えている。