視覚障がい者用誘導ブロック(セラミック)に、「クールイエロー」が追加されることとなりました。
これは、株式会社LIXILが東京大学分子細胞生物学研究所の伊藤啓准教授らと共同で、視力が低い方(ロービジョン者)にとっての視覚障がい者用誘導ブロック(セラミック)が視認しやすく、さらに景観と調和しやすい色「クールイエロー」を開発したものです。
新色の「クールイエロー」は、舗装用床タイルの新商品「メトロポリスEX」の視覚障がい者用誘導ブロックに採用されるほか、すでに発売されている「視覚障がい者用床タイル」、透水性ブロック「サンドロック」のカラーバリエーションにも追加され、2018年3月1日から全国で発売されます。
現在、交通施設などの高い安全性が求められる場所では、濃い黄色のブロックが普及していますが、それ以外の建築空間においては、周囲の路面と同じような白や黒、グレーの無彩色のブロックや金属製の鋲のブロックが設置されることが多く、これらはロービジョン者の方にとっては視認しにくく、路面の凹みや排水溝と見間違えやすいなどのリスクがあります。
ロービジョン者の方やバリアフリー専門家は、すべての場所で濃い黄色のブロックの設置を求めているのですが、従来の黄色は非常に目立つために、景観を重視する建築家やデザイナーは、なるべく使用を避けたいと考えることが多いため、両者のニーズを満たすことが困難になっていました。
そうしたことから、両者のニーズを満たす色を実現するべく、黄色の中で、色調を変えたさまざまな色をロービジョン者による検証試験により比較し、絞り込んだ数種類の色の誘導用ブロックを退色や汚損の影響を調べるために実際に路面へ敷設した上で、長期検証し、比較しました。
こうして、誘導用ブロックとしての視認性・記号性を確保しつつ、景観との調和も考慮した色調としてクールイエローが開発されました。
今回の開発は、バリアフリーと景観両立の大きな一助になるであろうと、期待されています。