株式会社デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所は、小・中・高校、塾・予備校で英語教育に関わる教員・講師100名を対象に、英語4技能教育の現状と課題、英語教育におけるAI活用についてのアンケート調査を実施しました。
調査結果をまとめたところ、英語4技能すべてに対応した授業を実施している学校は45%と、過半数に満たないことが明らかになりました。学校別にみると、中学校では英語4技能すべてへの取り組みが進んでいる一方、公立高校っ教員、受験対策塾・予備校の講師の3分の1が「実施予定はない(4技能すべてには未対応)」「わからない」と答えるなど、意外に感じられますが高校や進学塾での4技能対策は進んでいないようです。
教員が最も力を入れたい分野は「スピーキング」でしたが、実際に実施されている授業は「リーディング」80%、「ライティング」79%、「リスニング」74%と続き、「スピーキング」は最も少ない59%でした。特に高校や進学塾での「スピーキング」対策が弱く、こうした傾向には現行の大学入試の影響が考えられます。
実際、2020年の大学入試改革に受験生になるのは現在の中学3年生からであり、高校生には目の前の現行入試制度に重きが置かれるのは当然でしょう。しかし学年できっちり分けられないのが大学受験でもあり、スピーキングが全く必要ないということにはなりません。ではスピーキングを実施できない理由は、どのようなことが挙げられているでしょうか。
アンケートの結果は「教員のスキル不足」が74%とほかを大きく引き離して最多となりました。さらには「適切な教材・コンテンツ不足」「生徒の学習時間が少ない」「教員の準備時間が足りない」「教員不足」「受験英語と実用英語のギャップ」「生徒の意欲が低い」など様々な課題が山積しているようです。
そんな中、近年注目されているAIをはじめとした最新技術を取り上げ、「スピーキング・ライティング対策をAIで」など、これからの英語教育に最新技術活用への道が示されているようです。授業対策にパソコンを使いこなすように、AIなどの技術を駆使して英語学習を行う、そんな風景が普通になる日が来るかもしれません。