一般社団法人美術検定協会は、今般の新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、受験者の安心・安全と感染拡大防止を最優先に考え、昨年までの会場試験に替えて「2020年美術検定」をオンライン試験として実施すると発表した。受験生は、インターネット環境のある自宅などから、パソコン・タブレットで受験することが出来る。
美術検定は、前身の「アートナビゲーター検定」から数えると、延べ約4万人が受験し、2020年で17回目の開催となる。学生を含む幅広い職業、また10代から70台まで幅広い年代に受験されている。美術は、作品を「つくる力」だけで生み出されてきたわけではなく、人々の「みる力」によって、育まれ伝えられてきた。作品を知り、作家やその時代・社会を知れば、作品からもっとたくさんのことがみえてくる。この「みる力」のステップアップを目指すのが美術検定であり、美術と人々・社会をつなぐ役割を担うことを図っている。
検定では、古今東西の名作にまつわる基礎知識から、美術鑑賞の現場で求められる実践的な知識、また他者を“ナビゲート”する力、こうした美術に関する総合的な知識に基づいた「みる力」のステップアップを応援する。各級の出題範囲は下記の通り。
4級:西洋美術・日本美術の基礎知識として、代表的な作品や作家を知る。
3級:西洋美術・日本美術の基礎知識に加え、動向や形式など美術史に関わる概念を理解し、歴史的な流れを知る。
2級:美術に関する幅広い知識を持ち、美術史に関わる様々な概念を理解する。また美術鑑賞の場の役割や現状を理解する。
1級(アートナビゲーター):美術に関する幅広い知識・情報をもとに、美術作品や美術をめぐる動向について自身で解釈・思考ができる。さらに他者に対し、作品のより深い理解へ導くための具体的なナビゲート(道案内)の方法や手段を考えることができる。
受験にあたってはパソコン、タブレットとインターネット環境が必要。スマートフォンでの受験は推奨されない。
4級のオンライン試験は、2020年8月3日より開始、通年開催される。受験資格はなし、誰でも受験できる。さらに11月7日(土)・8日(日)には3級・2級・1級のオンライン試験が開催される。3級・2級は受験資格なしだが、1級は2級取得者のみが受験できる。3~1級の申込期間は9月15日(火)から。