日本経済団体連合会・イノベーション委員会は「第三次補正予算案」で実施すべき施策として、次の4点について緊急提言を行った。GIGAスクール構想の早期実現に向けて、すべての児童生徒がいかなる環境でもEdTechを活用して学べることが目指される。
(1) 高校生の教育用端末1人1台の整備
Society5.0で活躍する人材に必要なデータ分析・AI活用スキルを高校在学中に習得できるよう、高校生1人につき1台の端末を、国の新たな財政措置によって早急に整備すべきである。各自治体の導入目的を起点に、自治体予算の上乗せなどにより最適な端末を選択できる柔軟な財政措置が求められる。例えば、デザインやプログラミング、統計分析などの専門性を高めたい生徒には、専門のソフトウェアや高性能の端末を整備すべきである。
(2) 学校のインターネット接続環境の整備
小・中・高等学校のインターネット接続環境が一斉アクセスに耐えられるよう、各学校から直接インターネットに接続する方式への転換や、教育委員会のデータセンターの再設計・回線増強など、国の財政措置で整備を急ぐべきである。
(3) GIGAスクール構想の支援人材の確保
不足しているICTの支援人材を十分確保すべく、報酬単価の引き上げに加え、民間の支援サービスの活用も含め、政府予算の拡充を求める。なお、ICT支援員に求められるスキル標準を、1人1台端末とクラウド環境を前提としたものに更新すべきである。
(4) 教育アプリ・コンテンツ等関連予算の拡充
EdTech普及に向けてより多くの学校がEdTech活用の経験を積み、STEAMコンテンツにより探究的な学びの機会を享受できるよう、政府は教育アプリの試験的導入予算とSTEAM学習コンテンツ開発予算を拡充すべきである。