納豆に関する最新の研究成果に、糖尿病予防の機能性成分であるジペプチドの発見がある。伝統食品である一方、健康医学、薬学、古典文学など多分野で研究が続いている。全国納豆協同組合連合会(以下、納豆連)は3月18日、都内で納豆に関する研究発表「第15回 納豆健康学セミナー」を開催した。
セミナーでは、東京農業大学・舘博教授が納豆による糖尿病予防の可能性について講演。納豆の納豆菌が発酵過程で醸す酵素によって、大豆からジペプチドが生成されていることが判明したことから、その可能性を詳しく紹介した。
歴史研究の分野では、筑波大学・石塚修教授が、長寿を祈った食文化としての納豆汁について講演。納豆はもともと「汁」としての食べ方が一般的であり、さらにはお雑煮と同じく長寿への祈りをこめつつ食べ続けられてきたものだという。
納豆連では、納豆とその周辺領域を研究する学問を「納豆健康学」と名付け、知られざる健康効果や魅力を研究者とともに学術的に解明していくことが、今後の納豆業界と世界の人々の健康に寄与するものと考えている。
納豆連会長の野呂剛弘氏は「昔から〝納豆どきに医者いらず〟と言われるほど健康に良いことが知られている。納豆に多く含まれるアンチエイジング成分の研究が進むなど、今や納豆は日本の伝統食品の枠を超え、世界的に機能食品として注目されている」と挨拶した。