私立大学の志願者総数が14年ぶりに減少したことが旺文社の調査で分かった。また、志願者の上位30大学に占める割合は志願者総数の52%に上る。なお、本調査は2020 年に一般入試を実施している私立大 591校中、547大学の集計結果となる。
■超安全志向が志願者数の減少につながる
2020年入試は、2021年の入試改革を控え、 受験生は超安全志向となり、大都市の難関校を敬遠し、中堅以下の大学受験へと流れが変化した。その結果、例年の志願者数上位校を中心に軒並み志願者減少となり、志願者総数も約 2%の減少となった。
■MARCHは入学定員管理の厳格化で減少
MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)の各大学も、入学定員管理の厳格化による合格者の絞込みの影響から、2019年から減少した大学がほとんどであったが、2020年では全大学でさらに減少が拡大した。各エリアの大規模校でこうした傾向がみられた結果、一般入試志願者総数は14年ぶりに減少した。
■上位30大学合計で志願者の52%を占める
志願者数の上位100位までの大学をみると、大規模総合大学を中心に前年とほとんど変化は無い。その中で、上位30位までで志願者数が前年より減少しているのは20 校となり、志願者減少が目立った。さらに、1位~100位までを見ると、志願者数の減少校は61校と昨年の27校より大幅に増加した。一方、志願者の累計数の占有率をみると、上位30位までで全体の志願者数の約 52%となっている。
■首都圏の志願者占有率は56.7%
大学が設置されているエリア別の志願者占有率をみると、関東地区 57.8%、関西地区 24.2%、東海地区 8.9%などとなり、大都市圏に志願者が集中している。特に、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)では占有率 56.7%となっている。