神奈川県教育委員会は公立高等学校のICT基盤整備において、フルノシステムズの無線LANアクセスポイント「ACERA(アセラ)」シリーズを導入。合計で約2200台のACERAが144校に配備された。
■BYOD方式実現に向けて導入
神奈川県教育委員会では、教育ICT環境整備の一環として、2018年度より県内の高等学校144校(中等教育学校2校を含む)で、生徒が所有しているスマートフォンを学習ツールとして活用するBYOD方式の導入整備を進めている。各学校で1000台規模の端末を接続するBYOD方式の実現に向け、通信基盤として「ACERA」が導入された。
■1人1台の端末を使える環境を整備
県内全域での整備に先駆け、「ICT利活用授業研究推進校」を中心とした14校で、BYODの導入検証に着手。当初、県内高等学校のICT端末整備率は低く、各学校20台程度の配備にとどまっていた。本格的な教育ICT環境整備の局面を迎える中、生徒が1人1台の端末を使用できる環境整備が必要との判断し、1人1台端末環境を実現する手段の補完として、スマートフォン活用によるBYOD導入に踏み切った。
■多数台端末を接続しても安心な性能
BYOD方式の導入を進めるにあたり、1校当たり1000台規模の端末接続が想定されることから、校内無線LANを構築する上で多台数端末を安定して接続できる性能が求められた。研究推進校で各メーカーのアクセスポイントを用いて検証した結果、多台数接続とセキュアな通信環境を実現する、安心して使えるアクセスポイントとしてACERAの採用を決定した。県内2200台のアクセスポイントは、教育委員会に設置した無線ネットワーク管理システム「UNIFAS」で一元管理している。
■MACアドレス認証により生徒のスマートフォンの接続を管理
BYODの運用方法として、スマートフォンのMACアドレスを利用した接続管理を実施。MACアドレスを認証できる不正接続検知センサーを介して、登録申請をしたスマートフォンのみ校内無線LANへの接続を許可する仕組みとなっている。神奈川県教育委員会では、専用の不正端末接続防止ソリューションを活用したMACアドレス認証システムを導入している。
<神奈川県立秦野高等学校のBYODの取組>