公立小学校の教員であった玉田泰太郎氏(1927~2002)の授業をオンラインで学ぶシンポジウムが10月11日(日)に開催される。玉田氏は課題を用意する以外、ほとんど話さないのに、子供たちは科学の本質を自分たちでつかみ取る理科の授業を作り上げてきた。
■探究的に学ぶことで概念を獲得する授業づくりを学ぶ
NPO法人理科カリキュラムを考える会は、秋季シンポジウム2020を10月11日に開催。テーマは「先生の説明やまとめがなくても子どもが深く理解する授業の作り方-玉田泰太郎の授業から学ぶ『主体的・対話的で深い学び』」。玉田氏の授業を紹介し、探究的に学ぶことで概念を獲得する授業づくりについて学び、一緒に議論を深める。
■生徒自身の力で深い理解にたどり着く実験と発問
教員が説明して結論を言うだけでは、外から知識を押し付けることになる可能性がある。生徒が何につまずいているかをつかみ、何を議論すれば本質的な理解に導かれるのかを教員が見通すことから授業作りは始まる。生徒自身の力で深い理解にたどり着くような実験と発問を考えることで、皆が深い理解を得られるような授業作りが実現する。
■子供の生活概念を研究した玉田氏の授業
シンポジウムでは、生徒が探究的に学ぶことで深い理解にたどり着く授業作りを実践した、故・玉田泰太郎氏の授業を紹介。玉田氏の授業は子供の生活概念(誤概念、素朴概念)を研究し、子供自身が自分の持つ概念を討論の中で自覚し、討論や実験を通じて自然の中の本質に気づき自分のそれまでの概念を修正していく。
<オンラインシンポジウム概要>
主催:NPO法人理科カリキュラムを考える会
日時:10月11日(日)13:00~17:00(12:00受付開始)
会場:Zoom を利用したオンラインシンポジウム
対象:小・中・高・大の理科教育に携わる人、教育ジャーナリスト、一般
定員:100 名(先着順)
参加費:一般3000円、会員2000円 、学生1000円
申込み:https://rikakari20201011.peatix.com
問合せ:理科カリキュラムを考える会事務局 小川慎二郎 rikakari.jimu(at)gmail.com
<プログラム>
司会:石渡正志(甲南女子大学)
「先生の説明やまとめがなくても、子どもが深く理解する授業」をなぜ今問題にするか
滝川洋二(本会理事長)
「玉田氏の授業ビデオ-酸、酸水溶液」から学ぶ
岩崎敬道(東京都市大学)・小栗美香(埼玉県立高等学校)
「玉田氏の授業作り–三態変化–から学ぶ」
川島健治(法政大学付属中高校)・伊藤浩史(都内公立中学校)
「先生のまとめのない授業実践―食塩は液体にすることができるだろうか」
小佐野正樹(元小学校)・高橋真由美(元埼玉県公立小学校)
「総合討論:子どもが深く理解する授業をいかに作るか?」