昨年、平成30年(2018)は、明治維新から150年という節目の年でした。学習院大学史料館では、これを記念して春季特別展「明治150年記念 華ひらく皇室文化ー明治宮廷を彩る技と美—」を開催します。この特別展は2018年春から2019年にかけて、名古屋・秋田・京都・東京(2会場)の5会場を巡回するもので、学習院大学がフィナーレを飾ります。
会期は2019年3月20日(水)から5月18日(土)、月曜から土曜までの10時〜17時に観覧できます。さらに関連講座として3月23日(土)14時にギャラリートーク、4月14日(日)には11時と14時の2回、ゲストトークが行われます。そして4月27日(日)には彬子女王殿下、他を招いたシンポジウムが開催されます。展覧会及び関連講座ともに、入場無料、事前申込も不要です。
明治時代、諸外国との外交のために皇室では洋装を取り入れ、洋食で外国使臣をもてなしました。西洋文化を受け入れていく中でも、ドレスには日本の刺繍を施し、下賜品には日本の伝統工芸品を用いるなど、皇室では日本の伝統文化や職人技術を重要視し、帝室技芸員制度を設置し日本文化を海外に紹介、美術・工芸の保護育成を図っていました。
特別展ではこの時代の華やかな宮廷文化を象徴する工芸品や食器、明治皇室が守り伝えようとした日本の伝統文化・工芸を紹介します。有栖川宮家所有の正餐用食器・銀器やさまざまなデザインのボンボニエール、昭憲皇太后の遺品・藤鶴蒔絵堤重や原在韓筆の大正天皇即位礼図など、日本の伝統の技と美を堪能できる内容となっています。
平成が終わることが決まった年が、近代文化の始まりとも言える明治元年から150年にあたるというのも不思議な巡り合わせです。貴重な史料、美しい美術・工芸品を楽しむと共に、より深く近代日本を知ることのできるイベントにも参加してみたいですね。