テレビやスマートフォンの画面から出るブルーライトを浴びると体内時計の昼夜が逆転し「デジタル時差ボケ」が引き起こされる。子供のデジタル時差ボケを「ゲーム時差ボケ」と呼ぶが、小学生の3人に1人が「ゲーム時差ボケ」に陥っていることが明らかとなった。
■約6割の人がデジタル時差ボケに
ブルーライトは太陽光にも含まれる光で、それ自体に害はないが、浴びすぎることで「メラトニン」という睡眠ホルモンの分泌バランスが崩される。そうなると体内時計の昼夜が逆転し「デジタル時差ボケ」が引き起こされる。Zoffが2020年8月に実施した調査では、約6割の人が「デジタル時差ボケ」に陥っていることが明らかとなった。
■小学生の3人に1人がゲーム時差ボケ
デジタル時差ボケの中でも、特に子供のデジタル時差ボケを「ゲーム時差ボケ」と呼ぶ。同じくZoffが12月に実施した調査では、小学生の3人に1人が「ゲーム時差ボケ」に陥っている。その要因として、おうち時間の増加に伴う、ゲーム時間の増加が考えられる。
■コロナ禍によりゲームのプレイ時間が増加
同調査では、小学生の35.8%がコロナ禍でゲームのプレイ時間が増加したと回答。さらに、おうち時間の増加を受け、親もクリスマスプレゼントとしてゲームを選択肢に考える傾向にあることも明らかになった。
■ゲームのやりすぎがドライアイや近視の要因に
眼科専門医の林田康隆氏によると「ゲームは他のデジタルデバイスと比べても画面に熱中しやすく、瞬きを忘れたり長時間になりやすい傾向にある」という。さらに、「このゲームのやりすぎにより、ドライアイや近視、デジタル時差ボケなど子供の健康を危ぶませる事態が引き起こされる可能性がある」と述べる。
■「デジタル時差ボケ」チェックリストで確認
林田氏の監修のもと「デジタル時差ボケ」チェックシートを作成。10個のうち6個以上チェックがある場合は「デジタル時差ボケ」に陥っている。また、チェックが4個以上ある人も「デジタル時差ボケ予備軍」なので注意が必要。
<3つのアイケア習慣>
デジタル時差ボケの対策として、林田氏は3つのアイケア習慣が大事と呼びかけている。
①目の運動(眼トレ)をしよう
目をぐるぐる動かしたり、手元と遠くを交互に見つめたり、1秒間隔でしっかりと瞬きをしたり、この3つの眼トレを寝る前等に行うよう習慣づける。(眼トレはそれぞれ右回り左回り1往復・5セット・5セット)
②寝る前には目を温めよう
就寝前にホットタオルなどで目を温めることで、目の周りの血行を促進して、眼精疲労を改善させる。
③ブルーライトカットの対策をしよう
夜間の昼光色(ブルーライト含有)は脳を緊張させることが分かっている。スマートフォンやPCの使用時間の長い人(1日4時間以上)は、ブルーライトカットメガネをかける習慣をつけるようにする。
◆監修:林田康隆
眼科専門医。「医療法人社団康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾」理事長。
過去、大阪大学大学院医学系研究科および米国フロリダ州マイアミ・オキュラーサーフェスセンターにて眼表面および間葉系細胞の幹細胞研究に携わり、実際の細胞培養の経験を持つ再生医療のスペシャリスト。現在は、主に大阪で難治性白内障手術や網膜硝子体手術等に取り組む傍ら、眼科の領域にとどまらず、東京では肌再生療法や脂肪幹細胞療法、免疫療法も手掛けている。