文部科学省は、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル「学校の新しい生活様式を」を12月3日、Ver5に改訂した。Ver5では、小中学校の地域一斉臨時休校は避けるべきと記載している。
■学校内から地域への感染拡大の事例はない
最新の報告によると、11月25日までに児童生徒3303人、教職員471人、幼稚園関係者206人の感染の報告がされている。現在、国内の感染者数の増加に伴い、10月下旬から学校関係の感染者数が増加しているが、学校内での感染の拡大があった場合でも、地域での感染拡大につながった事例は現在まで確認されていない。
■高校生の感染者の多くが感染経路不明
小学生の 73%(1252人中916人)が「家庭内感染」である一方、高校生は「感染経路不明」が 35%(1224人中431人)と最も多くなっている。高等学校においては、生徒の生活圏が広がることから、学校外における行動についても指導することが必要。
■地域一斉の臨時休校や学校のみの休校は避けるべき
小学校及び中学校については、家庭内感染が大部分であることを踏まえれば、地域一斉の臨時休校は、当該地域の社会経済活動全体を停止するような場合に取るべき措置であり、学校のみを休校とすることは、学びの保障や心身への影響の観点から避けるべきとしている。
■感染拡大状況に応じて感染リスクの高い活動は制限
中学生・高校生については、家庭内以外の感染も増えてきていることから、地域の感染拡大状況に応じて、例えばマスクを着用しないで行う感染リスクの高い活動を一時的に制限するなど、生徒の発達段階に合わせた柔軟な対応が求められる。
■新型コロナウイルスに関する差別や偏見に陥らないように
「偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ」の、議論のとりまとめにおいても、差別・偏見等の防止に向けた取組の強化について挙げられている。文部科学省では、新型コロナウイルス感染症に関する差別や偏見等の防止に向けた大臣メッセージを公表したほか、子供たちが感染症に対する不安から陥りやすい差別や偏見などについて考えるきっかけとなるような啓発動画や関連資料などを作成している。