文部科学省で、公立小学校、中学校及び高等学校等における英語教育の状況について調査を行った。ICT機器を活用していると回答した割合は、全ての学校種で9割を超えており、上昇傾向にある。
児童生徒がパソコン等を用いて発表や話すことにおけるやり取りをする活動は、小中高で順に40・4%、44・0%、47・4%。
今後注目される遠隔活動についても聞いた。
児童生徒が遠隔地の児童生徒等と英語で話をして交流する活動は、高等学校では5.9%実施。
遠隔地の教師やALT等とティーム・ティーチングを行う授業や児童生徒が遠隔地の英語に堪能な人と個別に会話を行う活動はいずれの学校種も低いものの、高等学校では前回調査より2.5ポイント上昇し、5・8%になっている。
今後、今後、児童生徒自身がICT機器を操作する活動や、インターネットを活用した遠隔地の教師・児童生徒等とつないでコミュニケーションを取るといった活動に、さらなるICT機器の活用が望まれるとしている。
【中学3年生の英語力の上昇率が高い教育委員会の例】
神戸市(18.6ポイント増)、岐阜県(13.0ポイント増)、岡山県(8.6ポイント増)、
札幌市(7.9ポイント増)、茨城県(6.8ポイント増)
【高校3年生の英語力の上昇率の高い教育委員会の例】
奈良県(15.0ポイント増)、島根県(11.8ポイント増)、鳥取県(9.4ポイント増)、
山梨県(7.4ポイント増)、京都府(6.8ポイント増
今回の調査結果では、コロナ下の新たな課題として、「三密回避しつつ、話すことの活動を確保すること」「教師の集合研修への影響」などが挙げられていた。これらを踏まえ、今後の展望として「教師が学べる機会を充実」「児童生徒がICTを活用した学習の促進」などに取り組むとしている。
この調査は、平成25年度から、公立小学校・中学校・高等学校等を対象に実施されているもので、小学校・中学校学習指導要領(平成29年3月告示)、高等学校学習指導要領(平成30年3月告示)、「第3期教育振興基本計画」(平成30年6月閣議決定)を踏まえ、具体的な施策の状況について調査し、今後の施策の検討に資するとともに各教育委員会における英語教育の充実や改善に役立てることを目的としている。調査対象は各都道府県・市町村教育委員会およびすべての公立小学校、中学校、高等学校であり、義務教育学校、中等教育学校も含む。
調査項目は下記のとおり。
小学校:英語教育担当者の状況、ALT等の活用状況、ICT機器の活用状況など
中学校・高等学校:生徒の英語力、生徒の英語による言語活動の状況、パフォーマンステストの実施状況、「CAN-DOリスト」形式による学習到達目標の設定等の状況、英語担当教師の英語使用状況、英語教師の英語力、ALT等の活用状況、ICT機器の活用状況、小中連携等