中央大学は文理を問わず全学部生を対象とした「AI・データサイエンス全学プログラム」を2021年4月より開始する。本プログラムは、すべての学部生にAI・データサイエンスのリテラシー科目を提供する。
■プログラム言語などを学ぶ演習科目を用意
「AI・データサイエンス全学プログラム」は、AI・データサイエンス分野をリテラシーから応用基礎レベルまで系統的に学修する。希望する学生にはプログラム言語などのスキル取得やグループで学ぶ演習科目を用意。応用基礎レベル人材の育成をめざす。
■「AI・データサイエンス総合」で当該分野の関心を高める
AI・データサイエンス全学プログラムは、全学部の学生が履修可能なプログラムとして設置。その中の導入教育にあたるリテラシー科目「AI・データサイエンスと現代社会」は、卒業単位に認定される科目となる。また、各分野の実務家の事例紹介を中心とした「AI・データサイエンス総合」の科目により、当該分野への関心を高めることをめざす。
■学部や学年を越えてAI・データサイエンス分野を学ぶ
意欲のある学生を対象に、プログラム言語などを習得し、実践的な演習科目を用意することで、応用基礎レベルまでを系統的に学ぶ仕組みとする。演習科目では、学部や学年の垣根を越えて、AI・データサイエンス分野を学ぶことで、分野を問わず基礎スキルを身につけた人材を育成する。
■全学部学生を対象とするプログラムを実施
中央大学は文系・理系あわせて8学部を有し、各学部において情報や統計関連等の科目として、データサイエンス分野の講義を実施してきた。2020年4月にAI・データサイエンスセンターを設立。人文・社会科学に関係する多くの学部や組織を有する大学の特長を生かしたプログラムの検討をすすめ、全学部学生を対象とする本プログラムの実施を決定した。
■身につけた知識を自らの専門分野へ応用・活用することができる人材を輩出
学部を問わず応用基礎レベルのスキルを身につけた人材には修了証を授与。学部教育の専門課程に加えて、AI・データサイエンスの知識を自らの専門分野へ応用・活用することができる人材を輩出する。
<AI・データサイエンス全学プログラム 概要>
【AI・データサイエンスと現代社会】
・2021年度の春学期より開講。文系理系を問わず全学部の学生が受講可能。
・数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムが定める数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラムに準拠したカリキュラム。
・オンデマンド科目として実施。
・内閣府「数理・データサイエンス・AI 教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」に申請を予定。
・将来的には、全学部必修科目化について検討を継続。また、高大接続・入学前プログラムとして活用することも計画。
【AI・データサイエンス総合】
・学修動機づけを提供する実務家による事例紹介を中心とした講義。
・データサイエンスが社会でどのように活用されているのか幾つかの事例を示し、課題の背景を学びながら解決に至る道筋や技術的な基礎知識を学修。
・実践例を学び、様々な視点から議論を行うことで、データサイエンスの適用方法や有効性、課題を学修。
・2021年度秋学期より開講。オンラインと対面授業のハイブリッド型講義。
・事例は検討段階であるが、「AIによる体操自動採点システムの概要」「会計ビッグデータを用いた会計情報の活用」「ソーシャルメディア分析によっておこる法的問題」「社会調査士が活躍するデータサイエンスの世界」などを計画。
【ツール科目】
・データ活用のためのマイクロソフトエクセルや社会科学向けの統計ソフトの基本的な利用方法の理解をめざす科目や、ウェブアプリケーション開発ツール等、人文社会科学の学部に所属する学生にも役立つスキルの習得が可能。
・R、SQL、Pythonなどデータベース操作や汎用的なプログラミング言語の科目も設置。
・多様なメディアを活用したオンデマンド科目として実施。
【AI・データサイエンス演習】
・産業界や科学技術分野、身近な社会で取得された現実のデータに基づいて課題発見・解決をめざした総合的な活動。
・2~4年次の学部・学年の枠を超えた実践的グループ活動に3年間参加。
・グループ活動として、データサイエンス関連コンペティション等への参加も計画。
・本演習に加えて、各学部の既設関連科目の受講を修了要件とする「AI・データサイエンス教育プログラム」を実施。
<「AI・データサイエンスセンター」について>
名称:中央大学AI・データサイエンスセンター
開設日:2020年4月1日
設置場所:中央大学後楽園キャンパス
所長:中央大学理工学部教授 樋口 知之
オリジナルサイト:https://adc.r.chuo-u.ac.jp/