ベネッセ教育総合研究所は、「学校教育に対する保護者の意識調査2018」を朝日新聞社と共同で行いました。調査対象は全国の公立の小学2年生、5年生、中学2年生を持つ保護者で、学校とのかかわり、学校に望むこと、学習指導要領の改訂や大学入試、英語教育改革についての認知、教育をめぐる意見、などの項目について調査しました。
まず学校に対する満足度については、8割以上の保護者が学校に満足しているようです。総合的な満足度について、2018年の結果では「とても」と「まあ」を合わせて83.8%が「満足している」と答えており、経年変化を見ると継続的に増えています。学校の指導や取り組みに対する満足度でも同様で、「先生たちの教育熱心さ」が小・中学校共に満足度が大きく増加しています。
学習指導要領改訂や大学入試改革については、変更されることは知っているけれど内容については知らない、という答えが多く、また変更されること自体を知らないという答えも3割前後となりました。一方で、改革によって英語学習に力を入れる必要を感じる保護者は多いようです。教育改革の中で、現在進められている「プログラミング教育」や「入試で知識以外の多様な力を重視する」、「小学校での英語学習の早期化・教科化」などについては賛成が多くなりました。
教育の格差・平等については、所得による格差を6割以上の保護者が許容しているという結果が出ましたが、経済状況別にみると「ゆとりがある」層の方が「ゆとりがない」層よりも許容する割合が高くなっています。また教育の平等や競争について「子どもの個性に応じて学習内容を選択できる」という考え方が増えている一方で、「勉強の得意な子どもの学力を伸ばす」よりも「勉強の苦手な子に学力をつける」ことを重視している意見がかなり多くなっていました。
現代の小中学生の保護者は、学校、先生に対しておおむね満足し、またカリキュラムや入試について、あまり積極的に調べたりはしないような印象がうかがえます。しかし子どもの個性を尊重するためにも、どのような道があるか、目標に進むためには何が必要なのか、保護者も能動的に考え、調べることが大切ではないでしょうか。