文部科学省は、例年「学校における教育の情報化の実態に関する調査」において教員のICT活用指導力の調査を行っています。教育の情報化を推進する上で、教員のICT活用指導力を的確に把握することは極めて重要であるからです。このたびその調査・研究の結果が公表されました。
学校経営における情報化推進の状況は、「情報化推進の組織があり、授業や校務などで活用している」が50.3％、「情報化推進の組織があり、学校全体の教育改善に貢献している」が14.6％、「特定の教員だけが、必要に応じて授業や校務などで活用している」は35.1％でした。校内研修の実施状況は、「計画的ではないが校内研修が⾏われている」が60.8％、「校内研修が計画的に⾏われている」が32.2％で、「より⾼いICT活⽤指導⼒を⾝につけるために、⼯夫された校内研修が⾏われている」は7.0％でした。校外の機関との連携は、「校内に組織体制はないものの、校外の機関からの協⼒を受けている」が45.6％、「校内に組織体制を構築し、校外の機関との連携を実現している」が27.5％、「情報化の推進のために校外の機関との連携や支援を受けることはしていない」は26.9％でした。
「授業にICTを活⽤して指導する能⼒」を向上させる取り組みについては、「積極的に取り組む」が40.9％、「どちらかといえば積極的に取り組む」が40.9％。「児童⽣徒のICT活⽤を指導する能⼒」を向上させる取り組みについては、「積極的に取り組む」が38.6％、「どちらかといえば積極的に取り組む」が39.8％です。
教育の情報化を進めるうえで校⻑⾃⾝が⼤切だと思うことは、「教員がＩＣＴ活⽤の効果について理解していること。教職員の意識改⾰。」「情報機器の有効な使用方法の研修」「児童・生徒に対するメディアリテラシー,情報モラルを向上させるための指導」「情報化推進のための効果的な組織づくり」「情報教育のための時間の確保」等が挙げられました。
ICTの環境整備やその活用なくしては、次期学習指導要領が目指す学習目標を達成できなくなりつつある今、教育の情報化における学校体制づくりや管理職のリーダーシップなどは情報化を推進するうえで重要なポイントになっています。学校経営における情報化推進が進み、教員のICT活用指導力が上がることが望まれます。
